鉄製のコンテナを再利用したロングビーチの人気スポット「スティール・クラフト」
鉄製のコンテナを再利用したロングビーチの人気スポット「スティール・クラフト」

日本からの貨物船も多く入港するロングビーチ港を有するロングビーチ市で、船積みコンテナを再利用したコンテナショップが注目を浴びています。ロサンゼルス(LA)南部に位置する港湾都市ロングビーチは、ダウンタウンから電車でも行ける1時間ほどのビーチタウンです。ロングビーチにはホテルやレストランだけでなく博物館にもなっている豪華客船クインメリー号や水族館などの観光名所があり、毎年4月には市街地がコースとなる人気ドリフトレース「フォーミュラドリフト」も開催されています。そんなロングビーチの新名所として今注目されているのが、不要になった輸送用コンテナを再利用して野外で食事やお酒を楽しめるスポット「スティール・クラフト」です。2017年にオープンしたスティール・クラフトには、地元で人気のブリュワリーやコーヒーショップを始め、ワッフルやラーメン、ピザが楽しめる8つのコンテナショップが一堂に会し、ピクニック気分で食事が楽しめる人気スポットになっています。

様々なクラフトビールを楽しめるスモッグ・シティーの隣にはラーメン店もあり、1度に好きなものを色々試せるのも人気の秘訣
様々なクラフトビールを楽しめるスモッグ・シティーの隣にはラーメン店もあり、1度に好きなものを色々試せるのも人気の秘訣
人気のワッフルラブではチーズや野菜を使ったおかず系から生クリームやアイスクリームを使ったスイーツまで楽しめます
人気のワッフルラブではチーズや野菜を使ったおかず系から生クリームやアイスクリームを使ったスイーツまで楽しめます

地元のおいしい食を紹介する役割も担っており、現在はロングビーチも含めてLA南部に3か所オープンしています。利用者は好みのショップでオーダーした食べ物や飲み物を敷地内のベンチや芝生に座って楽しむことができ、天気の良い週末にはビール片手に日光浴をする人や友人や家族、愛犬と一緒にランチタイムを過ごす人など大勢の人で賑わいます。また、単なる食事スポットとしてだけでなく、ヨガとビールを楽しんだり、ミニコンサートが開催されるなどコミュニティーイベントも多く開催されており、地域に根付いたビジネス展開でも注目されています。フルーツ風味のビールなどユニークなフレーバーのビールが楽しめるLA南部トーランス市にある人気ブリュワリー「スモッグ・シティー」を始め、スイーツからおかず系ワッフルまで様々なワッフルが楽しめる「ワッフルラブ」、新鮮な果物や野菜を使ったジュース専門店「レインボージュース」、窯で焼いた本格的イタリアンピザが自慢の「デサノ・ピザ」、豚肉専門店「ポーク・ペン・デリカシー」など魅力的な専門店が揃っており、コンテナを利用したショップとは思えない充実度です。

真っ赤な外観が目を引くコーヒーショップもコンテナを再利用したもの
真っ赤な外観が目を引くコーヒーショップもコンテナを再利用したもの
1歩中に入るとコンテナショップに囲まれた真ん中は芝生を敷き詰めた広場になっていて、リラックスした空間に
1歩中に入るとコンテナショップに囲まれた真ん中は芝生を敷き詰めた広場になっていて、リラックスした空間に

LA郊外をドライブしていると、何十ものコンテナを連ねて砂漠の中を走る貨物列車を見かけることがありますが、今そんな船積みコンテナの再利用が注目されており、フランチャイズ大手のファストフードチェーンなどでも積極的に活用を始めています。コンテナは簡単に移動でき、場所を取らずにショッピングモールやオープンスペースの一角に設置ができるので期間限定のポップアップショップとしても気軽にオープンできるのが魅力。レストランやカフェだけでなく、テスラが電気自動車のポップアップショップとして利用したり、アディダスやプーマ、グッチなどのブランド店もキャンペーンなどで積極的に利用し始めています。コンテナの壁は大きなキャンバスとしてロゴや絵を描くこともでき、見た目もおしゃれなのも人気の秘訣です。ラスベガスのダウンタウンにも輸送用コンテナを積み上げて店舗にした野外ショッピングモール「ダウンタウン・コンテナパーク」がオープンしており、鉄製(スティール)のコンテナが新たなビジネスモデルのトレンドになる日もそう遠くはなさそうです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)

通りから見た外観はこんな感じ。いくつものコンテナが集まって1つの小さなコミュニティーを作っています
通りから見た外観はこんな感じ。いくつものコンテナが集まって1つの小さなコミュニティーを作っています