新型コロナウイルスのパンデミックは、ここロサンゼルス(LA)でも外食産業に大きな影を落としています。LAではすべてのレストラン、カフェ、バー、ファストフード店が先月17日から店内での飲食が禁じられ、テイクアウトとデリバリー、ドライブスルー限定で営業を続けていますが、すでに多くのレストランが休業や廃業を余儀なくされています。
依然として経済再開の見通しが不透明な中、ハリウッドスターにも愛された老舗や映画のロケにも登場した人気店も「閉店」と言う苦渋の決断を迫られています。
先月19日の自宅待機命令以来、人通りがまったくなくなったビバリーヒルズの中心部にある老舗デリ「ネイトン・アル」は、テイクアウトとデリバリーで営業を続けてきましたが、29日に閉店を決めました。
ユダヤ系デリとして1945年にオープンしたネイトン・アルは、75年間に渡ってハリウッドの業界人たちに愛される存在でした。かつてはナンシー・シナトラやドリス・デイ、リタ・ヘイワース、ジェームズ・ガーナーら往年のスターたちも足しげく通っていたことで知られるクラシカルな雰囲気が今も残るデリでしたが、コロナ禍を乗り越えることはできなかったようです。しかし、ネイトン・アルは永久に歴史に幕を下ろすと報じられたことについて、「我々のゴールは何とかしてレストランを生き残らせること」とパンデミックが収まった後に新たなロケーションでの再オープンの可能性も示唆していますが、現時点ではデリの再開のめどは立っていないようです。
そして今月に入って閉店が決まったのは、日本人にも人気のショッピングモール、ビバリーセンタ-からほど近い場所にあるダイナーレストラン「スウィンガーズ・コーヒーショップ」。
ビバリー・プラザ・モーター・ホテル(現ビバリー・ローレル・モーター・ホテル)の一部として1964年にオープンし、1993年にオーナーが代わってリニューアルオープンした老舗。場所柄ハリウッドセレブも大勢訪れていたほか、深夜まで営業していることからナイトクラブで夜遊びした若者たちが酔い覚ましに立ち寄るスポットとしても人気のお店でした。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のすぐ近くにあり、いつも学生たちで賑わっていた老舗ドーナツ店「スタンズ・ドーナツ」もコロナの影響を受けて55年の歴史に幕を下ろすことを決めた店の一つです。ここは地元では誰もが知る有名店で、昨年公開されたクエンティン・タランティーノ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」にも登場しています。
1965年にオープンしたスタンズ・ドーナツは、ピーナツバターを包み込んでチョコレートグレーズをトッピングしたドーナツや、人気アニメ「ザ・シンプソンズ」に登場するピンク色のアイシングにカラフルなスプリンクルが乗ったドーナツなど、ユニークなメニューで知られ、最終日となった10日には大勢のファンが名残惜しそうにドーナツを購入しに訪れていました。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)





