クリスマスといえば、日本ではチキンにクリスマスケーキというのが定番ですが、アメリカでは「ホリデーハム」や「クリスマスハム」と呼ばれるはちみつなどで艶を出した大きなハムの塊やローストビーフが一般的。日本のようなデコレーションされたクリスマス用のケーキを食べる習慣もなく、デザートはドライフルーツやナッツを使ったパウンドケーキやフルーツパイを食べる家庭が多いです。一方、メキシコからの移民が多いここロサンゼルス(LA)では、クリスマスといえば「タマレ」というメキシコの伝統料理が有名です。

グリーントマトを使ったソースをかけて食べるタマレ
グリーントマトを使ったソースをかけて食べるタマレ

タマレとは、トウモロコシをすりつぶした粉で作るマサと呼ばれる生地とラードを合わせたものに肉や野菜などを包み、それをトウモロコシの皮でくるんで蒸したものです。メキシコでは祭りの時に食べる伝統料理で、砂糖やシナモンを加えたり、パイナップルを使ったデザート風の甘いものもあります。メキシコでは家庭それぞれに何十年にもわたって受け継がれてきたレシピがあり、アメリカに住むメキシコ系の人たちも毎年この時期になるとタマレ作りで忙しくなります。クリスマス以外にも洗礼など神聖な行事の時に食べる文化があるそうですが、クリスマスイブに親族らが集まってみんなでタマレを食べるのがメキシコの伝統だといわれています。

スーパーマーケットで売られている冷凍のタマレも種類が色々あります
スーパーマーケットで売られている冷凍のタマレも種類が色々あります

日本ではあまりなじみのない食べ物なので想像が難しいかもしれませんが、米の代わりにとうもろこし粉を使ったちまきみたいな感じです。中に入っている具材は、牛肉やチキン、豚などの他にチーズやコーンなどもあり、それにグリーンのソースやサルサ、様々なスパイスと唐辛子、チョコレーを使ったモレと呼ばれる伝統的なソースなどが絡まっています。ほんのり甘いコーンの風味とスパイシーなソースの愛称は抜群です。LAではストリーフードとしても知られ、屋台などで1個数ドルで買うことができ、道端でメキシコ人のお母さんが手作りタマレを売っていたりもします。最近ではスーパーマーケットで冷凍タマレも売られており、LAの人々にはクリスマスだけでなく普段からとてもなじみのあるフードです。

そんなLAでは毎年クリスマスの時期になるとメディアで取り上げられる超有名店があります。LAダウンタウンの東にあるラ・インディアナ・タマレという40年の歴史を持つ専門店は、この季節になると店の外に大行列ができることで知られ、1人で数十個のタマレを

ラ・インディアナ・タマレは地元テレビで毎年取り上げられる有名店(KTLAのサイトより)
ラ・インディアナ・タマレは地元テレビで毎年取り上げられる有名店(KTLAのサイトより)

買い求める人たちで賑わいます。12個入りの袋が25ドルほどで売られており、それを5個、6個と大量オーダーする人がほとんどで、NBCテレビによると今年はクリスマスに向けて25万個のタマレを用意したといいます。クリスマスはここのタマレじゃなきゃというファンも多く、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大人数で集まることができなかったため、今年は2年ぶりに家族で集う人たちの注文が早い時期から殺到し、24日には完売となる大盛況だったようです。メキシコの文化が根付くLAでは、タマレをクリスマスに食べてみようというアメリカ人も増えており、クリスマスの新たな文化になっています。(ロゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)