ロサンゼルス(LA)のダウンタウンにある歴史的建造物にも指定されているターミナル駅「ユニオン・ステーション」は、地下鉄から長距離列車、バスターミナルまで様々な公共交通機関が乗り入れるLAの玄関口とも言える駅です。1939年に建設された建物は、教会を思わせるスペイン風の建物に美しいアールデコ調の内装が特徴で、たくさんの映画のロケ地にもなっています。入り口から中に入って左手は、今は使われていない昔のチケットコンコースが残されており、コロナ禍の2021年のアカデミー賞授賞式の会場にもなりました。オープンから83年、大きなシャンデリアや革張りのレトロなソファーなども含めほぼそのままの姿を今も残しているユニオン・ステーション内に、実は新鮮なビールが楽しめるビール醸造所があるのはあまり知られていません。

歴史のある駅舎内でビールが楽しめるホームバウンド・ブリュー・ハウス
歴史のある駅舎内でビールが楽しめるホームバウンド・ブリュー・ハウス

ユニオン・ステーションは大リーグのLAドジャースの本拠地からほど近く、駅前から観戦する人のための球場行き無料シャトルバスが出ていることもあり、店名は「ホームバウンド・ブリュー・ハウス」で、ドジャースに焦点を当てたスポーツバーにもなっています。店内は広いカウンターバーやビリヤード台、野球観戦用のテレビも複数台あり、試合のある日は多くの野球ファンがビール片手に応援を繰り広げる光景も見られます。ライトラガーからIPAまで常時10種類以上のビールが楽しめ、店の奥にはビールタンクも並んでいます。

ビリヤード台などもあり、スポーツバーとして利用する人も
ビリヤード台などもあり、スポーツバーとして利用する人も
カウンターバーには大きな旅行カバンを持った人たちの姿も
カウンターバーには大きな旅行カバンを持った人たちの姿も

もともとは、インペリアル・ウェスタン・ブリューイング・カンパニーが2018年に駅舎内にオープンさせたブルワリーでしたが、コロナ禍で営業を一時停止した後、新たにホームバウンド・ブリュー・ハウスとして昨秋にオープンしました。最大の特徴は、歴史ある美しい駅舎内の雰囲気を味わいながら美味しいクラフトビールが楽しめること。また、ここは駅なので電車の待ち時間や移動の途中にふらりと立ち寄ってビール1杯をひっかけることもでき、小腹が空いた人にはビールに合うホットドッグなど軽食も用意されています。さらに、ビールのテイクアウトも可能で、野球のボールとバットをあしらった特製の缶に目の前で好きなビールを詰めてもらえるので、自宅でも出来立てのビールが楽しめます。

こんな素敵な空間で楽しむビールは最高
こんな素敵な空間で楽しむビールは最高
お土産にも喜ばれそうな野球のボールとバットが描かれた特製缶でテイクアウトも
お土産にも喜ばれそうな野球のボールとバットが描かれた特製缶でテイクアウトも

LAにはたくさんのブルワリーがありますが、こんな贅沢な空間でおいしいビールが楽しめるのはここだけ。ユニオン・ステーションからは空港行きのバスも出ており、地下鉄の駅もあるので、観光客にも訪れやすい場所です。ハリウッド映画好き、ビール好き、野球好きにはたまらない場所です。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)

ドジャース応援のメッセージがある入口
ドジャース応援のメッセージがある入口