6月19日は、「ジューンティーンス」と呼ばれるアメリカで奴隷が解放された日です。

June(6月)と「nineteenth(19)」を組み合わせたジューンティーンスは、1865年6月19日に南部テキサス州でそれまで奴隷身分とされてきた全ての人々が自由であると連邦政府から命令が発令された日で、「解放の日」「自由の日」としても知られています。

北米大陸に奴隷としてアフリカ人が連れて来られたのは、1600年代にまでさかのぼります。長きに渡ってアフリカ人とその子孫が奴隷として過酷な労働を強制され、合法的に奴隷化されてきましたが、奴隷制度に反対する北部の州と存続を主張する南部11州の間で1861年に南北戦争が勃発。戦争のさなかの63年1.月1日に当時のエイブラハム・リンカーン大統領が奴隷解放宣言に署名し、それから約2年半後の1865年6月19日に最後となったテキサス州で奴隷制度が廃止されました。

自身がデザインした衣装でジューンティーンスを祝うビヨンセ
自身がデザインした衣装でジューンティーンスを祝うビヨンセ

ジューンティーンスは長年に渡ってアフリカ系アメリカ人にとって重要な記念日でしたが、2020年にミネソタ州で白人警察官によって黒人男性ジョージ・フロイドさんが殺害された事件などを端に発した「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」運動の広がりなどから世間の注目を集めるようになり、21年にバイデン大統領が連邦の祝日とする法案に署名。多くの企業で従業員に有給休暇が与えられるようになり、一部州でも職員の休日となっていますが、未だ約半数の州では正式な州の祝日として認められていないと報じられています。

ハリウッドの観光名所では黒人のビジネスをサポートする催しも
ハリウッドの観光名所では黒人のビジネスをサポートする催しも

では、ジューンティーンスをどのように祝うのでしょう。州によっても違いはありますが、パレードやコンサートなどの大型イベントが各地で行われています。ここロサンゼルス(LA)でもハリウッドの野外劇場グリフィス劇場で2回目となるCNN主催の自由を祝うコンサートが行われました。地元出身のR&B歌手ミゲルやオクラホマ出身のR&Bシンガー・ソングライターでプロデューサーでもあるチャーリー・ウィルソンやゴスペル界のカリスマ的歌手カーク・フランクリンら多くの黒人アーティストが出演し、長編ドキュメンタリー映画「サマー・オブ・ソウル」で22年にオスカーを受賞したヒップホップ界の大物クエストラブとアダム・ブラックストーンが音楽監督を務めた公演は、CNNで中継され、ハリス副大統領も特別出演。先日死去したティナ・ターナーさんへのトリビュートも披露されました。

また、ハリウッドの中心にある複合施設オベーション・ハリウッドでもライブ演奏や黒人の経営者が運営する店舗が集まったマーケットが開かれたほか、黒人住民が多い地域ではパレードやフェスティバルも行われ、音楽やアート、フードを通じて黒人文化を祝う催しが各地で盛り上がりを見せていました。

LAで開催されたCNN主催のコンサート「ジューンティーンス:グローバル・セレブレーション・フォー・フリーダム」を伝えるCNNの記事
LAで開催されたCNN主催のコンサート「ジューンティーンス:グローバル・セレブレーション・フォー・フリーダム」を伝えるCNNの記事

SNSではリゾやジェニファー・ハドソン、ミシェル・オバマ元米大統領夫人ら多くのセレブが、ジューンティーンスを祝う投稿をしており、ワールドツアー「ルネッサンス」を開催中のビヨンセは、オランダ・アムステルダムで行った19日の公演で黒人デザイナーの衣装だけを着用してステージに立ったことを明かしています。この日は自身のブランド「アイビーパーク」のコレクションとして自らデザインした衣装も披露し、「ジューンティーンスを祝うショーで着用した、非常に才能ある黒人デザイナーの一人になれたことを誇りに思います」と投稿しています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)