梅雨時期は、本来なら増水後の河口周辺でヒラスズキが回遊してきて釣れるはずなのだが、今年はどうも様子が違う。河口周辺に回遊してこないので、9日、高知・東洋町野根の地磯に釣行し、63センチと54センチのヒラスズキをキャッチした。水温がまだ25度以上になっていないため、ヒラスズキが磯に回遊してきているのではないかと思われ、それまでは磯ヒラゲームが楽しめそうだ。

 午前9時前、東洋町・野根の磯場に到着。前夜から朝方にかけて大雨になったため、朝まずめの釣りは断念。雨があがったので、室戸方面に車を走らせながらポイントを探した。目に着いたのは野根ゴロゴロの地磯だ。潮位、波高からしてマッチしたポイントだ。ここは満潮時(潮位120センチ以上)と干潮時(潮位80センチ以下)の両方で狙える。当日の釣行時間は、満潮から潮が下げていくタイミングになるため、このポイントを選択した。

 また、夏磯のヒラゲームは水温が高くなっていく時期なので難しくなるが、梅雨期だと雨が降ることで表面水温が下がり、ヒラスズキが磯場に入ってきて口を使いやすくなるのではないかと思う。さらに波高が2メートル余りになると安定してサラシができ、ヒラスズキが回遊してくる条件が整う。

 タックルをセットし、実釣開始。とりあえずチョイスしたルアー(スリム系ミノー)をキャストしてみる。活性の高いヒラスズキが入ってきていたら即反応が出るはず。濃いサラシができているポイントにルアーが入って行った時に、ガツンと明確なアタリがきた! フッキングを入れヒット。フックアップしたヒラは元気よくエラ洗いを連発し、サラシの中に突っ込んでいく。右側の沈み根の方に走られるとまずいのでロッドを右側に立て、ヒラを左側に向かせるようコントロール。手前に寄せにかかる。沈み根が入り組んだポイントをかわすと、ゆっくりとヒラとのファイトを楽しむ。磯際まで寄せると抵抗するが、タイミングをはかり磯にずり上げキャッチに成功。サイズは63センチ。ブリブリのナイスコンディションのヒラだった。

 1投目からのヒットに期待が高まるが、なかなかその通りにはいかない。そこでルアーをシンキングペンシルにチェンジし攻めてみるとヒット。ファイトを堪能しキャッチしたのは54センチ。その後ワンバイトあったもののヒットしなかったが、今回の夏磯ヒラゲームは成功だった。【日刊FPC・長井淳】

 【交通】徳島市内から国道55号を南下。高知県に入り東洋町の野根川を越え、野根港を過ぎ約1キロ走ると磯場。

 【今後の見通し】この時期は磯から増水後の河口周りへ変わっていくが、今年はまだヒラスズキが磯に回遊している感じがある。ただ、梅雨明け後に水温がグンと上がると、河口周辺でのヒラゲームが楽しめるようになる。