日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2017 月桂冠杯 和歌山・那智勝浦磯グレ釣り大会」が26日、南紀・勝浦の磯で行われ、42人が参加し、グレ3匹までの総重量を競った。早朝から山成群島とオジャ浦に分かれ、午後2時の納竿まで良型を狙って奮闘。和市島に上がった上田泰大さん(京都市)が1600グラムを釣り上げ、見事、初優勝を飾った。最長寸を競った「月桂冠賞」は鬼島で44・2センチを仕留めた吹揚恒夫さん(田辺市)が受賞した。

 「今夜は月桂冠のお酒で乾杯です。釣りあげたグレを刺し身にして晩酌をするのが楽しみ」。お酒が大好きという上田さんが得意の“遠投同時打ち”(遠投で刺し餌とコマセを合わせる釣り方)で1600グラムを釣り上げて見事、初優勝。会心の笑顔で喜びを語った。

 上田さんは自己流でグレ釣りの腕を磨いて30年。「43歳になった今でもグレ釣りをするとわくわくする。これまでにこんな楽しいものと出合ったことがない」というほど、グレのフカセ釣りにのめり込んでいる。

 トーナメントでは表彰台の常連で那智勝浦で毎年、開催される「和歌山グレドリームカップ」でも、3回優勝。得意の磯場で実力をいかんなく発揮した。上がった磯は数、型ともに狙えるオジャ浦の和市島。構えたのは大島向きだった。

 波気がなく、潮の動きも鈍かったため、良型を狙うには厳しい状況だったが、小グレがわき上がる浅ダナを見切り、竿1本から仕掛けを深く入れていく攻め方が勝利を呼び込んだ。

 手前にまき餌を打って小グレを集め、竿3本沖へ遠投。重めの仕掛けで刺し餌を速く沈めながら、道糸を張って誘いもかけ、良型に口を使わせた。餌取りがきつくなると、左右にポイントをローテションしながら釣っていくトーナメンターらしい巧みな技も光った。

 優勝カップを手にすると「スランプが続いていたので久々に優勝することができてとてもうれしい。来年も参加し、連覇を狙います」ときっぱり。副賞のお酒・純米大吟醸「鳳麟」が手渡されると「月桂冠のお酒を飲むと釣果が上向くんです。そんなゲンの良いお酒をもらったので、夢のロクマル(60センチ以上の尾長グレ)を狙ってみたい」とまだ見ぬ大物にも夢を膨らませた。【近江康輔】

 <主催>日刊スポーツ・日刊銀鱗倶楽部<特別協賛>月桂冠株式会社<協賛>がまかつ、マルキユー、オーナーばり、東レインターナショナル、ボナンザ、ハヤブサ、ユニチカ、ミヤマエ、ダン、サンライン、ゴーセン、ヤマワ産業、ジールオプティクス、ルミカ、ハピソン、クレハ、ベルモント<協力>清丸渡船。