釣り大好きシンガーの「オカマリ」こと岡田万里奈(24)が、初めてアユ釣り大会に参加した。栃木・那珂川で17日に行われた、女性限定の「第1回 芭蕉の里くろばね 那珂川レディース鮎釣り大会」に挑戦。茨城・久慈川、群馬・神流川で実釣を重ね、当日も意欲満々で本番に臨んだが、残念ながらアユを掛けることはできなかった。見事、掛けた女性とは何が違ったのか?

 ガールズバンド「LoVendoЯ(ラベンダー)」のボーカル、オカマリは張り切っていた。久慈川では5匹、神流川では4匹を釣った。経験を積んでの大会参加だ。しかも、久慈川で指導をしてもらったベテランヘラブナ師の大関実さん(50、アユ歴も15年)が、コーチとして駆けつけてくれた。日本友釣会連盟の相吉孝顕相談役(84)からは、「アユは、1場所、2オトリ、3上手(腕)。まず、場所を選ぶのが釣るためのコツ」と、アドバイスをもらった。

 大会当日の朝6時ごろ、ホテル花月下の那珂橋から大関コーチと川をチェックした。平水より20センチ低い。しかも、前日の梅雨寒で水温は低い。活性も低そうだ。こんな場合を考え、水量が豊富で、群れもいそうな橋の上流の瀬肩を第1候補に想定した。

 受け付けを済ませ、7時半の開会式までハリにタオルを引っかけ、取り込みの練習だ。「久慈川では12回もアタリがあったけど、うまく取り込めなかった。練習します」。大関コーチとマンツーマンで、サオの弾力を利用してタオルをタモに入れる練習を繰り返した。準備はできた。

 2匹のオトリアユをもらって、いざ出陣と思ったら、瀬肩に先着者がいた。やむなく、那珂橋とその上流にある那珂川歩道橋の中間の瀬に変更。8時半の釣り開始から粘ることにした。

 「アユがいれば、確実に掛かるはず」と言い聞かせる。流れの中心、その脇、浅瀬の部分にも、偏光グラスを通して川の中に黒光りした大石を発見した。アユの餌となるアカが大石に付いている。アユが食べたと思われるハミ跡もある。ハミ跡周辺を縄張りにしているアユに猛アピール。部外者の侵入チャンスとばかり、オトリを流れに乗せる。

 結果的に、正午の終了までアユは掛からなかった。オトリ2匹をキープしたまま、終了。やはり前日の梅雨寒が影響したか、活性が低かった。

 そんな条件でも、上位はきっちり結果を出していた。5匹を釣って優勝した内堀明子さんは前日に型をみた那珂橋の瀬肩に、大会当日も入った。「オトリをもらったら、一目散に向かいました。あの場所は譲れなかった」と言う。2位で3匹釣った岡部美子さんは、那珂川歩道橋の橋脚の上流(通称「町裏」)に入った。「上から見たら、群れが泳いでいた」。場所選びを釣果に結び付けた。

 しかも、2人は一瞬のチャンスを逃さなかった。冷たい東風がやみ、曇天だった9時半から1時間あまり、日が照った。気温が上がり、活性も上がった。そこで確実に掛けた。

 「うーん、場所選びがこれほど重要だったとは。相吉さんの言った通りでした」とオカマリ、残念そう。「次は釣りたい」。夏の課題が見つかった。