大剣と呼ばれる胴長40センチを超えるケンサキイカ(マイカ)を求めて6月30日、兵庫・豊岡の「豊裕丸」で竹野沖へ出た。午後6時半から、エギを使ったロングハリスのオモリグとイカメタルで狙うと入れ掛かり。大きな群れをとらえ、ほぼ1投1匹のペースで釣り続け午後11時半までに20~40センチを50匹、15~40センチのスルメイカも10匹キャッチした。日ムラはあるが引き続き数釣りが期待できる。【近江康輔】

 誘いと食わせのパターン、ヒットレンジを追求するのがイカメタルの面白さ。午後6時半すぎ、竹野沖に入った。夕暮れ時は大型がよく掛かるチャンスタイム。水深は約45メートル、底は砂地が広がる。赤緑のエギを使ったオモリグを底まで落とし、3回しゃくってからテンションフォールを繰り返すと数投目にグッググー。

 逆噴射でロッドの胴までグイグイ絞ったのは狙い通りの40センチ級。この1匹で船上が一気にヒートアップ。誘ったあとのフォール中に出るイカアタリに神経を集中してさらなる大型を狙っていく。

 すると、加古川の皿谷康夫さんがビール瓶サイズを仕留め「こいつを釣りたかったんや」と獲物を手に満面の笑みで大喜び。船中で数匹の大型が上がったところで集魚灯が点灯され、入れ掛かりタイムに突入。ここからはイカメタル(別図)で匹数を伸ばしていく。

 ヒットレンジは底付近と水深15メートル前後に集中した。仕掛けをタナまで落とし、数回しゃくって止めるとカン、クッと竿先に小さく鋭いアタリが出る。これを掛け合わせるのがイカメタルの醍醐味(だいごみ)。合わせ損ねたら、そのまま竿先を小刻みに震わせ、再び止めると20~35センチが1投1匹で釣れ続く。

 イカメタルは、ほかの人と食いダナを共有して釣るのが、セオリーだが、逆もまた真なり。隣の人が底なら中層を、中層なら底を狙うと、ケンサキが好反応を示し、一発で針掛かり。

 イカの興味を1つの仕掛けに集中させる作戦が見事にはまり、ダブルヒットもしばしば。あまりの釣れっぷりに顔や服はイカ墨だらけ。取り込むペースが速くなると、夜光スッテ(赤ヘッドの黄色)が電灯で蓄光されてアピール度もアップ。

 中層は小・中型、底で良型が掛かり、午後11時半までに50匹釣り上げ、竿頭で納竿した。帰宅後、就寝前に目を閉じると、竿をギュンギュン締め込むケンサキの心地良い引きが思い出されるほど楽しい釣りだった。

 【今後の見通し】ケンサキイカは、初期に大型がよく釣れるので今が狙い時だ。これから、新たな群れが西からどんどん入ってきて、梅雨明けとともに数釣りの本番を迎える。例年、10月中ごろまで楽しめる。

 【問い合わせ】豊裕丸【電話】090・3057・6599。イカメタルの乗合船料金は1万円、仕立て船料金は4人まで4万円(1人増し5000円)。午後6時に出船、納竿は同11時半。

 【交通】中国自動車道の福崎ICで播但連絡道路に入り、北上。和田山ICで北近畿豊岡自動車道へ。日高神鍋高原ICを出て、案内標識に従い、国道312、県道3号を経由し、城崎温泉方面へ。同温泉を通過し、港大橋を渡り、円山川の右岸へ。気比の浜の裏側に豊裕丸が停泊する港がある。