令和時代にぴったりの釣り旅行なら、ぜひ箱根・芦ノ湖へどうぞ! 週末に家族や気の合う仲間でのんびりしたい。ならば、芦ノ湖のマス釣り&山小屋風ケビン棟で過ごしてみませんか? 「ニジマスとかなら釣ったことあるけど」。そんな声も聞こえてきそうだが、芦ノ湖で釣るニジマスは格別ですよ。しかも、ルアーやフライではなくて、イクラエサで簡単に釣れる。湖上を吹き抜けるそよ風の気持ち良さ、味わってください。
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「芦ノ湖トラウトチャレンジ」とのタイトルでここ数年、イクラエサで釣ったニジマスを地元のキャンプ村に泊まって食べて過ごすイベントを実施してきた。
昨年は50人以上が参加する大盛況ぶりだったが、今年は趣向を変えた。
「もしかしたら、芦ノ湖のニジマス釣り、ってまだまだ知られてないんじゃないか?」。
そこで協力してもらったのが、東京都中野区の観光協会理事の栗島優さん。東京ディズニーリゾートの取材でおなじみのプロレスラーNORIが中野区在住で同区観光大使に着任している縁で実現した。
栗島さん 中野区には20代のバーベキューの好きなグループがあったり、都会に住む反動なのか自然にあこがれを持っているようです。釣り、いいですね。バスタ新宿から高速バスで桃源台に直接行けるアクセスの良さもポイント高めです。
好感触だ。4月20日、栗島さんに芦ノ湖体験をしてもらった。
芦ノ湖湖尻「うえ乃」のボート桟橋の真ん前がニジマスの釣れる好ポイントなのだ。ボートを離岸させて60秒。釣り場到着だ。釣り道具はニジマス専用ではなくても、釣具店で販売しているリールとセットになっているメバルザオでもいい。仕掛けも「シロギス用片天ビン」「オモリ3号」「ハリス付きマスバリ」。これだけで十分。うえ乃にこの仕掛けとエサになるイクラも販売していて、レンタルのサオもあるので、手ぶらで釣りができちゃう。
ただし、釣った魚を保存しておくクーラーボックスと氷は持参してください。
さっそく栗島さん、ボートに乗ってポチャン。その3分後、ギュン。
栗島さん 実は、釣り初体験です。こんなにいきなり釣れるんですね。これ、楽しい。もっと難しいと思ったのに。それにニジマス…きれいだ。
今回は、築地から日本酒専門店「熊ごろう」佐藤敦聡店主と木&金曜限定営業「JOJOバー」森山利也店主に参加してもらい「芦ノ湖キャンプ村レイクサイドヴィラ」のケビン棟で釣れたニジマスを料理してもらった。
佐藤さんは「芦ノ湖のニジマス、って上品な脂なんです。料理のしがいがある。凝った調理法もいいのですが、単純に塩焼きで。それなら誰でもできる。しかもこのケビン棟にはガスレンジがあって、魚コンロもあるから便利ですよ」とアドバイス。
芦ノ湖漁協でニジマスやワカサギを育てる担当の結城陽介さんがサクラマスを手みやげに夜の宴会に参加。サクラマスとはヤマメの降海型の成魚なのだが、芦ノ湖は海ではないのにサクラマスが天然で育っている。エサ釣りでの報告はないが、ルアーやフライでは釣果実績がある。
このサクラマス、森山さんにさばいてもらった。輝くばかりのサーモンピンク。刺し身も口の中でとろけて、甘さだけが残った。
栗島さん このサクラマス、素晴らしい。釣れなくてもこのサクラマスは食べたいですね。釣りも面白かったけど、湖上で感じた空気の爽やかさ。奥行きのある景観のダイナミックさ。中野からこんなに近いのに。来年は芦ノ湖初体験の若い衆を連れて来ます。
芦ノ湖の夜は楽しく、にぎやかに更けていった。ニジマスを土鍋で炊き込んだごはんもおいしかった。さあ、箱根を目指そうか!【寺沢卓】
▼ボート 芦ノ湖湖尻「うえ乃」【電話】 0460・84・8471。手こぎ2人乗り3500円(半日3000円)、同3人乗り4500円(同3500円)、エンジン船9000円~。出舟&帰着時間は季節によって違うため要確認。2階食堂もおいしいですよ。
▼入漁券 日釣り1300円、中学生以下無料。マス類持ち帰りは1人15匹まで。うえ乃でも購入可。芦ノ湖漁協【電話】0460・83・7361。
▼芦ノ湖キャンプ村レイクサイドヴィラ 6人宿泊できる山小屋風のケビン棟は季節によっても料金は違うが1棟の借り切り料金で1万7500~3万2500円。【電話】0460・84・8279(午前9時~午後8時)。