腹パンの乗っ込みチヌを狙おうと先日、福井・若狭大島の磯へ釣行した。早朝から「フィッシングセンター・ビッグワン」（日刊銀鱗倶楽部加盟店）の船で「奥ソエの7番」へ渡り、フカセ釣りで挑戦。開始1時間ほどで、まき餌が効き始めると、まずは沖の潮目で41センチがヒット。その後はしばらくアタリが遠のいたが、込み潮の磯際狙いがはまり、52・5、42センチを仕留めた。重量感満点の引きを存分に楽しんだ。

午前5時すぎ、若狭大島の磯では最も西寄りに位置する「奥ソエの7番」に上がった。ここは全体的に磯が低く、水深も磯際でウキ下3ヒロ、沖でも4～5ヒロと浅い。ところどころに沈み根もあり、チヌの格好の産卵場といえる。

まずは20メートルほど沖に出来た潮目を狙った。チヌを呼び込むためのまき餌をシャクで10杯ほど打ち込み、しばらくしてからウキ下3ヒロでオキアミの刺し餌がまき餌と同調するように仕掛けを流す。しかし、刺し餌がハリに残ったまま手元に戻ってきたのでウキ下をさらに1ヒロ深くして打ち返す。

すると、潮上に追い打ちしたまき餌が刺し餌と同調した辺りでウキがモゾモゾッと海中へ。糸フケをとってから大きく合わせると頭をガンガンガンと振る感触が手元に伝わる。2、3度の心地良い締め込みを楽しみながら浮かせたのは41センチの銀ピカチヌだった。サイズは小さめ目だが、幸先良く食わせた1匹目に頬が緩む。

だが、その後はアタリが遠のいてしまう。それならと乗っ込み期の鉄則通りまき餌を磯際へ間断なく打ち込んでいくと潮位が高くなっていく中、大チヌらしき魚影がまき餌に群がりだす。すかさずウキ下を3ヒロに変更。足元から2～3メートル沖で仕掛けをなじませながら釣っていくと午前11時ごろ、沈黙を破るようにウキの赤いトップがスパーッと海中へ引き込まれた。

合わせると竿先が海中へ突き刺さり、強烈な締め込みで磯際へ突っ込まれる。間違いなく50センチクラスの手応え。少しラインを送りながら慎重に応戦。沖へ向かって走りだしたところで一気に勝負をかける。

腰を落とし、竿の弾力で強引に海面へ導いたのはボッテリと抱卵した52・5センチ。迫力満点の年なしチヌだった。さらに、その直後にも42センチを仕留めたが、込み潮が足元を洗い始めたため正午に納竿とした。【日刊FPC・兵頭良弘】

【今後の見通し】若狭大島の磯群全域で乗っ込みチヌが盛期を迎えている。40～50センチ超えまでの良、大型がコンスタントに狙え、磯によっては2桁釣りも。5月の末までは好釣果が続きそうだ。その後は梅雨グレの数釣りが期待できる。

【問い合わせ】フィッシングセンター・ビッグワン【電話】090・7083・4837。渡船料金は日の出～日没まで5000円、日の出～正午まで4000円。出船時間は事前に確認が必要。

【交通】舞鶴若狭自動車道の小浜西ICを出て、国道27号線をおおい町方面へ。JR小浜線の若狭本郷駅北側の青戸の大橋を渡って、大島トンネルを抜け、2つ目の三差路を海沿いへ右折するとFCビッグワン（旧・神野大福丸）の待合所。