「日刊スポーツヘラブナグランドチャンピオン大会2019」の山梨・西湖「白根」での予選会が20日実施される。関東地区5カ所で行われる最終予選になる。総重量審査で上位5人が11月4日の三島湖「ともゑ」での決勝に進める。そこで、紙面上のヘラ師養成「ヘラブナ道場」の関川康夫師範代に、この時期の西湖の注意点を聞いた。

空が高い。吹く風も涼しい。ただ、ちょっと日光が降り注ぐだけで汗ばんでくる。ややこしい季節だ。どんな服を着ていいのか。早朝は鳥肌が立つぐらいなので、雨が降っていなくてもカッパは必携だ。ただ、まだ薄手でいい。すぐに脱げる準備ができていれば問題はない。

関川康夫師範代 人間が着るものを迷ってしまう気候。これね、ヘラも同じですね。夜はきゅん、と冷え込むから湖の水温は着実に下がるんです。でも、夏の暑さを湖水がまだ記憶していて、それがやや難敵なんですよね。

サオを握った日は朝から白いモヤがかかっていて、雲の中での釣りみたいだった。なにしろ、湖面標高は900メートル。やはり雲の中だ。「白根」渡辺安司店主は「今年は水が澄んでいて、この前測定したら、透明度9・7メートルを記録した。もうちょい濁りが入ると面白いんですけどね」と話した。

師範代 今年の西湖は湖がピカピカだねぇ。今回はエサ打ちをして3回目で当たった。ヘラはやる気満々。でも、このきれいな水は、ちょいとやっかいだね。

今回、師範代は「白根」のボート置き場からすぐの前浜で試した。サオ22尺。「いっぱいの宙」をタナ(魚の泳層)とした。ウキをサオ先近くに設定する。そうするとサオと同じ長さだけ糸が垂れて、湖面からサオ分、つまり22尺(約6・6メートル)下で泳いでいるヘラを釣る、ということ。そのポイントは底から浮いているので「いっぱいの宙」という表現になる。

★師範代のエサ配合 「グルテンダンゴ」「軽ネバ」「バラケマッハ」「凄麩(すごふ)」を各1に水1を入れて、さっくりとかき混ぜる。

師範代 この「さっくり」は感覚なんだけど、練り込みすぎずに練る。ヘラはすぐに飛びついてきた。ダンゴは水に入ると、元々がお麩なので水に溶けていく。練らなすぎると、22尺下のタナまでもたない。かといって練りすぎてしまっては、集まった魚は散ってしまう。この感覚は何度か試してみないと、指先で覚えないといけない領域かもしれないですね。

師範代は午前中でサオを置いて、35~39センチを29匹だった。

師範代 ウキは動きますね。ただ、まだ水温が安定しないからなのか、カラツンが多い。エサから水分が抜けたりすると具合が変わってアタリがとれなくなる原因にもなるから、各エサは200ccよりも150ccのカップでコマメにつくった方がいいかもね。

エサの状態管理がむずかしい場合、両ダンゴにこだわらずに食わせバリは「力玉」「グルテン」などを使う手段も悪くない。

師範代 ただ、コマセのバラケバリは、ダンゴを持たせるのに8号だったものを10号に替えたら調子はよくなった。臨機応変にそのときの釣況に合わせて、仕掛けも少しずついじるといいですね。

西湖予選は20日。まだまだ、余裕はある。湖の状況は日々変わっていくので、試釣をして、自分に合った釣り方を見つけるのも一興だ。

師範代 25~27尺の長いサオで底釣りに集中した方がいい人もいるかもしれない。まずは、西湖に来てよーく確かめてみてください。決勝の三島湖で待ってますよ!