厳寒期は手軽にニジマスの強い引きが楽しめる管理釣り場がアツい! 兵庫・猪名川町にある「北田原ます釣り場」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)へ先日、今季の釣れ具合を確認しようと出掛けた。当日は急激に冷え込んだせいか、マスの食いが渋かったが、ブドウ虫の餌を底にはわせて誘う少年が40センチ級をゲット。ルアーでもストップ&ゴーやスロー引きで良型が上がり、夕方にはフライで入れ掛かりの人も。竿頭は25~40センチを55匹も釣っていた。北田原ます釣り場は年中無休。お正月の初釣りで大物を釣り上げてみてはいかがですか。

北田原ます釣り場は昨年、大雨による被害で営業できなかったが、河川の改修工事を終え、11月17日から再開。待ち望んだファンで連日、にぎわいをみせている。ここは天然河川を利用した釣り場のため、天候、水温、流れの強弱や濁り具合などによってニジマスのヒットパターンが異なるところが面白い。当日は冷え込みがきつく、減水気味で流れがゆるいタフなコンディションにもかかわらず餌釣り、ルアーともにあの手この手で良型のニジマスをゲットしていた。

餌釣り場では父の敬治さんに連れられ、4歳から北田原に通う中学3年生の田口弥暉君(宝塚市)が長竿を満月にしならせて40センチをタモ入れ。「合わせたときにズシンとくる手応えが最高です。ここのマスは身がピンク色で塩焼きにするとおいしいです。僕の家では冬の朝ご飯にかかせないんですよ」と笑顔で話す。

田口君はこの時期、週1回のペースで釣りに来るそうで自作の餌箱を首からぶらさげ、フィッシングベストを着用する姿は大人顔負けの様相。腕もピカイチで、マスの活性が低いとみるや、針先を隠すようにブドウ虫を2つ掛け、ベタ底をゆっくりと流し、25~40センチをコンスタントに釣っていく。マス釣りのほかにも、サクラマスや渓流のアマゴ釣り、アユの友釣りまでこなす本格派で「友だちと遊ぶよりも魚釣りが好き。夢はプロの釣り師(魚釣りのフィールドテスター)になることなんです」と目を輝かせる。

ルアー・フライ専用区では最適なルアーや毛針を使ったヒットパターンを追求するルアーマンが熱心に竿を振っていた。午前中はルアーに反応がよく、江崎慎一郎さん(西宮市)が25~45センチを2桁キャッチ。マイクロスプーンのオレンジやレッドでべた底をストップ&ゴーで探っていた。姫路の松田周作さんはシンキングミノーを底にはわせるように引き、40センチ級を3匹仕留めてにんまり。マスがルアーを見切りだした午後からはフライフィッシングの人が好調に竿を曲げていく。そんな中、目を引いたのはムチを打つようにきれいな振り込みをするフライ歴30年のベテラン・江川徹さん(尼崎市)。毛針(マラブーのオリーブ)が自然に流れるようにラインの抵抗をとりながら的確に釣っていき、40匹ほどキャッチ。

そして日が傾きだすといよいよ時合が到来。マスの活性がぐんと上がり、大阪の山元太郎さんが1投1匹の入れ掛かり。派手な毛針とナチュラルな毛針をひんぱんに交換し対岸ぎりぎりへのキャストで25~40センチを55匹も食わせた。曇り空で冷え込みが厳しい1日だったが大半の人が朝から日暮れまで黙々と竿を振る姿に管理釣り場の人気の高さを実感した。【近江康輔】

◆フィールドメモ 北田原ます釣り場は天然河川の猪名川を利用した釣り場で全長約800メートル。管理事務所の上手に少人数を対象にした7区画の餌釣り場、下流に大人数用の餌釣り場が2つとルアー・フライ釣り場が1つある。また、えん堤よりも上流にルアー・フライ専用区があり、後方が広く、フライも十分に振れる。放流量は餌、ルアー・フライともに1人約2・5キロ。これから水温が下がり、5度ぐらいで安定すればマスの活性が高まり、数、型ともに期待できるだろう。ほかにも、70センチ級のイトウや40~50センチのロックトラウト(ニジマスとイワナをかけ合わせたもの)、25~45センチのイワナを放流済み。無料駐車場、トイレ完備。仕掛け、餌常備。河原でのバーベキュー可能。釣ったマスをさばく洗面台もある。

【問い合わせ】北田原ます釣り場【電話】072・766・2208。営業時間は午前7時~午後5時。遊漁料金は大人(中学生以上)1日4000円、女性と小学生以下2500円=放流あり。午後からの半日券(放流なし)は大人2500円、女性・小学生以下2000円。ただし、半日でも放流すると1日券と同額。期間内無休。

【交通】新名神高速道路の川西ICを出て、川西インター西の信号を右折。県道12号を北上し北田原ます釣り場へ。電車は能勢電鉄の日生中央駅を下車。「後川」、「柏原」行きのバスで大井バス停下車。