明けまして、おめでとうございます! 釣りで生きざまを語る“アニキ”こと俳優・哀川翔(58)は、2020年も全開で魚とバトルしますよ! 子(ね)年最初の獲物は「深海のブラックダイヤモンド」ことクロムツだ。南房総の相浜「松丸」からサオを出した。豪雨の中、なんとアニキ、多点掛けに成功した。今年もどうやら縁起がいいぜ!

釣りのできる喜び、って釣り人にしか分からないんだよね。だってさ、仕掛けを海に投入して、サオを握る。

海は広い。その中で狙う魚の興味をひいて、エサのついたハリに食わせる。魚がハリに掛かったら、それまで波に揺られて規則正しく上下に動くだけだったサオ先がブルン、ブルルン。これが命の息吹なんだ。

こんな“お遊び”ほかにはない。だから、もし、釣り未経験なら、今年こそ、サオを握ってみてくれ。必ず何か発見や感動がある。それはオレが確約する。

今年は東京オリンピック(五輪)の開催年だ。オレも楽しみにしているけど、でも、それよりもどんな魚と出合えるか、大きくても、小さくても、同じ命。命を懸けた戦いだ。オレも真剣に挑む。さあ、待ってろよ、魚たち!

新年最初は、南房総・相浜のクロムツだ。以前、静岡の沼津・久料「魚磯丸」で釣ったことがあるが、深場の横綱なんじゃないかな。キンメダイ、メヒカリ、そして人気のアカムツなど深海の人気者はいっぱいいるけど、オレの個人的な意見だとクロムツが断トツでおいしいよ。

ギトギトしすぎない脂分、煮付けたときに箸がすーっと入っていく気持ちよさ、鍋にいれたらいいダシもとれる。白身の甘みはこの世のものとは思えないもんな。誰かが言っていたが「深海のブラックダイヤモンド」というニックネームがぴったりだと思えるよ。

乗り込んだのは相浜「松丸」(西藤裕船長)。暗い中で狙うクロムツから明るくなってからのマダイへとリレーする船だ。

予報が雨だったから、集合はいつもよりちょっと早い午前3時にした。それでも神さまは試練を与えてきた。松丸が岸を離れたらポツリ、ポツリと雨が落ちてきた。上等じゃねぇか。

結果からいうと、釣れたよ。コツがあるんだ。どうしても底の魚と思ってしまうから、200号のオモリを底ギリギリにしようと思ってしまう。水深160メートル前後。仕掛けは「松丸特製フラッシャー仕掛け」。館山市の「ヤックス」という24時間ドラッグストア内で販売している。5本バリで3メートル、7本バリが5メートル。つまり、魚はこの仕掛けの長さ分は底から浮いていることになる。

オモリが底についたら3~4メートル上げて待つ。そして、底は起伏があるから、ときどき底を確認して、また3~4メートル上げる。このコマメな底取りをすることで、エサのサバ切り身が揺れて、魚を誘う。

クロムツが食らいつくと、サオ先はダンスをするように激しくビートを刻んでくる。オレも釣れたし、同乗した仲間もクロムツをゲットできた。

夜明け直後にオレにはドカンと5匹が乗った。いつのまにか雨もあがって、クロムツ、キラキラしていた。相浜でブラックダイヤモンドが待ってるぜ。みんな、今年もヨロシクな。

▼相浜「松丸」【電話】080・1154・5283。今回はクロムツ→夜明け直後からスタートするマダイとのリレー船。取材では1~1・5キロのマダイも釣れたが、昨年12月は3~6キロの釣果も出た。また、クロムツと一緒にキンメダイも釣れる。リレー船(定員12人)は通常午前3時30分集合で、氷&エサ付きで1万2000円。前日入りできる素泊まり用の施設もあります。帰港後は漁協直営の相浜食堂がおすすめですよ。