花園直道、鵜沢一座に入門!? 舞踊家で歌手の花園直道(32)が、日刊釣りペンクラブ鵜沢政則氏(68)指導のもと、ノッコミに入った千葉・吉浦「八平丸」(鈴木篤幸船長=67)でマダイの五目釣りに初挑戦した。舞台では、あでやかな所作でファンを魅了する花園だが、マダイも魅了できるのか?

吉浦港に降臨した花園。舞台ではファンの目を輝かせる存在だが、この日は自身の目が輝いていた。「釣り番組で見ていた鵜沢さんにお会いできるなんて感動ですよ!」。趣味に「シーバス釣り」を掲げる釣り好きだが、沖釣りは初体験。「海外公演に行ったときにボートの経験はありますが、日本では初めてなので楽しみ。しかも鵜沢さんとご一緒できるなんて…」。

今回、船宿のレンタルタックルで挑んだ。だが、ハリス4メートル2本針の仕掛けに鵜沢氏は「これでは食わない。マダイはどこでも潮が速いときは8メートル、緩いときは10メートルが基本。それに合わせて仕掛けを用意しておかないとダメ。今日は俺の仕掛けを貸してやる」。

ルアー専門の花園にとって、餌付けも初体験。鵜沢氏は「ここでの餌は大きい方がいいから、(オキアミは)抱き合わせの2本掛けでいこう。これ、秘密だけどな!」。いたずらっぽく笑いながら餌付けを指導。花園の初餌付けは「アウト!」だった。

初投入はイワシ。3度目の投入後「んっ? ちょっと重くなっている」で上げると上針にイワシ、下針にイサキ。「キタ、キタ!」とほほ笑んだ。1投ごとに手返しが速くなる花園。「つんつんしているけど、合わせていいんですか?」「合わせないとダメ。怪しいと思ったら合わせな」(鵜沢氏)でイサキをダブルゲット。「イサキってすし屋では高級ネタですよね。オススメの食べ方は?」「俺はたたきやなめろうがいいね」(鵜沢氏)と会話も弾んだ。

「また、つんつんしているので合わせてみます。キタ~!」。そこには小さなマダイ。「小っちゃ! このサイズだけど、取りあえず初マダイです」と花園は目を輝かせた。最後の1投で鵜沢氏がヒット。マダイと確信すると「引きを味わってごらん」と花園にタッチ。「えっ、(イサキと)全然違う」。上げたのは1キロのマダイだが「引きが強い。イサキはするする上がって来るけど、マダイは下に潜る感じですね」。

鵜沢氏はコマセマダイ釣りのポイントを「コマセの中に、いかにおいしそうな餌を置けるか。タイがどう餌を食うか、ダイビングの免許を取って実際に観察した。そのときの餌の動きをイメージしてサオを動かしている」。花園は「僕らの世界でも本番をイメージして舞台を作っていくのが大事ですけど、釣りも一緒なんですね。餌を落としてからもイメージしている」と応えた。

鵜沢氏を“師匠”と呼んだ花園。鵜沢氏は「今度は全部貸してやる。次はラクに釣れる釣りをさせてやる」とほほ笑みながら宣言した。

◆花園直道(はなぞの・なおみち)1988年(昭63)8月19日、東京都生まれ。幼少期から古典舞踊(坂東流)と津軽三味線を学ぶ。自ら「邪派新姿(ジャパニーズ)」と名付けた新感覚で斬新な日本舞踊を目指し、06年結成の舞踊集団「華舞斗~kabuto~」とともに国内外で公演を行っている。11年には「古の花」で歌手としてメジャーデビュー。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」等に出演。身長181センチ、血液型O。

■鈴木船長「まだまだこれから」

取材時の5月上旬、「今年は遅いけどノッコミに入っている。あとは潮加減」という鈴木船長。吉浦沖では「15メートルで食えば最盛期。まだまだこれから」。同沖のコマセマダイ釣りは「2~3回あおって、2~3分じっくり待つことが大切」という。「あまりせわしくやっちゃうとこの辺のタイは食わない。ガチャガチャ(コマセを)まくと餌取りばかり寄ってきて、肝心なマダイがいても届かない。だからじっくり待つこと。その方が大物はかかる」と話した。

◆吉浦・八平丸 千葉県鴨川市江見吉浦147、【電話】04・7096・0062。マダイと旬な五目釣りを楽しめ、この時期は主にイサキが見込める。午前便4時30分集合1万1000円、午後便11時30分集合1万円。ともに、まき餌&氷付き。第1・3土曜定休。