残りアカに縄張りを持つ、追い気満々の野アユを狙おうと10日、和歌山・日高川龍神地区へ友釣りに出掛けた。午前9時前、大熊のかめたに橋から約1・1キロ上流に入川。茶色く見える大石周りなどを止め釣りでピンポイントに攻めると追い星がギンギンにでた野アユが激しいアタリでお出迎え。残りアカを求めて2カ所を釣り歩き、午後3時までにぽってり肥えた18~21センチを33匹追わせた。縄張り意識の強い激しいアタック、パワフルな引きを堪能した。【日刊FPC・下田成人】

「先日、大雨が降ったが、上流は水が減って、ええアユがぼちぼち釣れてるよ」。松阪食堂の店主・松阪正澄さんからグッドな情報をもらい、大熊上流へ車を走らせた。午前9時ごろ、かめたに橋から1・1キロ上流の山道から入川した。ここは岩盤や大石のある瀬、淵と変化に富んた渓相が続く。

水位は約20センチ高。狙うのは縄張り意識が非常に強い残りアカに付いた野アユ。掛かればアタリ、引きともに強烈なはずだ。アカが飛んでいる石は白っぽく見え、茶色く見える石はアカが残っている。岩盤は青白く見えるところはアカが飛んでおり、黒く見えるところにアカが残っている感じ。だが、元々、黒い岩質があるので見極めは難しい。

とりあえずオトリを入れ、反応を見ながら探っていく。まずは茶色く見える瀬肩の右岸際にある大石周りを狙う。オトリに背バリを打ち、大石の前でオトリを止め、少し待つとコンと小さなアタリが出た。竿を立てると、一気に走るが竿のためでパワフルな引きに耐え、タモに飛ばしたのは背ビレの長い20センチのきれいな野アユだった。よく肥えていていつも以上にスイカのような甘い香りが漂う。

オトリを交換。送り出すと続けてガツーン、ビューン。目印が対岸に吹っ飛び、これまた良く肥えた18センチ。残りアカの釣りは同じポイントで粘らず、どんどん移動しながら釣るのが数釣りのコツ。岩盤や瀬脇など、残りアカを見極めながら釣り上がり、正午までに18~20センチを13匹キープした。

午後からは1・2キロ上流の通称・タバタの瀬へ。こちらは、大石がゴロゴロと入る残りアカの絶好ポイントだ。右岸側の大石やヘチの石が茶色くて期待十分。入れ掛かりを予感し、オトリを大石の頭に入れるとガツン、ギュイ~ン。いきなり激しいアタリで目印が下流に突っ走る。流れに乗って走るパワフルな引きを慎重にいなし、引き抜いたのは体高がある21センチ。ほれぼれする魚体だった。

そして、ここからがすごかった。茶色く見える石の周りでオトリをピンポイントで止めると入れ掛かり。まるでパズルを合わせていくように強烈なアタリが続く。晴れ間ものぞき、野アユの追い気は最高潮。夢中で残りアカを狙い続け、2時間ほどで19~21センチを20匹追加。午後3時ごろ、大満足で川をあとにした。

【今後の見通し】本流も水位が下がり、新アカが付き出している。これから真夏の太陽が照り込めば水温が上がり、本格的に追い出すだろう。最終の放流も13日に行われたので、終盤まで数、型ともに楽しめそうだ。

【問い合わせ】松阪食堂(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0739・79・0259。年券は1万1000円、日券は3300円。同食堂の松阪正澄さんが、現地の情報に詳しい。

【交通】阪和道の有田ICを有田・金屋方面に出て信号を左折。県道22号、国道424号、425、371号を経由し、龍神温泉方面へ。温泉トンネルを抜け少し走ると同食堂がある。