本州最南端の串本大島。その湾内の美しい海は栄養分豊富な黒潮の影響を受けることから、魚影が濃くマダイ、シマアジ、イサギにメジロなどの青物やチヌ、グレなど、四季折々の多彩な魚が釣れる。そんな魅力的な釣り場でビギナーからベテランまで大人気なのが「大裕丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)のカセ場だ。年間を通して波が穏やかなので、特にビギナーやファミリーにはぴったり。ちょい釣り体験や、湾内クルージング、養殖魚の餌やり、食事プランなどもあり、楽しい1日を過ごすことができる。

こんなにも、いたれりつくせりな釣り場はなかなかない! 「大裕丸」((有)岩谷水産)のカセ(トイレ付き)は波が穏やかな湾内にある養殖イケスの横に設置されており、子どもから年配者まで安心して魚釣りが楽しめる。養殖イケスの近くということで養殖用こぼれ餌に多彩な魚が集まってきて魚影が濃いのも魅力的だ。

今回は「大裕丸」自慢の各種体験プランを紹介します。魚釣りの経験がないビギナーやファミリーにお薦めなのが、ちょい釣り体験(午前9時~正午まで)。事前に釣ってみたい魚を伝えておけば、狙いの魚が釣れるポイントに設置されたカセ(1~6人乗り)を用意してくれる。しかも、タモ、椅子、バケツ、スカリなど、魚釣りに必要な道具が備っており、釣り竿がレンタルでき、餌、仕掛け、氷なども販売されているので、手ぶらで出かけても大丈夫。釣り方や、餌の付け方など、わからないことは同店スタッフが親切に教えてくれるのもうれしい。カセを貸し切るので、ほかの人に気兼ねすることなく、自分たちのペースで快適な釣りを楽しむことができる。

釣った魚は管理事務所でスタッフがていねいにさばいてくれ、氷をしっかりきかせて自宅まで配達してくれるサービス(有料)もあるのでありがたい。待合所にはシャワーも完備されており、すっきりした体で帰路につける。

釣り以外にも各種サービスが充実。ファミリーやカップル、グループに人気なのが湾内クルーズだ。潮風を受けながら、のんびりと串本大島の豊かな自然、美しい海を行けば、心が癒やされること間違いなし。きっと忘れられない思い出になるはず。

そして注目は岩谷水産が長年取り組んできた養殖魚「紀州梅クエ」や「同マダイ」の餌やり体験だ。特に幻の魚といわれる高級魚のクエは、創業(昭55年)からの努力が実り、養殖に成功。イケスの中で10年以上にわたって育てられた1メートルを超えるクエが、豪快に泳ぎながら餌を食べる姿は迫力満点。一見の価値あり。

ほかには、古民家レストラン「大裕丸亭」でのお食事がお薦め。紀州梅マダイや、地元産の新鮮な食材を使った漁師料理はどれも絶品。空腹を満たしてくれる。ファミリーやグループでの思い出作りに、大裕丸に出かけてみてはいかがですか。釣り体験や、各種プランがきっと、あなたを満足させてくれる。

もちろん、大裕丸のカセ釣り場はビギナーだけでなくベテラン釣り師からの注目度も高い。例年、80センチを超える大型の乗っ込みマダイや50~60センチの大型チヌ、メジロやブリ、良型の口太グレに座布団級ヒラメなどの実績があり、大物ハンターが足しげく通う。【中村和嗣】

【問い合わせ】大裕丸【電話】0735・65・0603。カセ料金1人6000円、女性・高校生5000円、中学生3000円、小学生以下無料。弁当予約可能。貸しザオ(1500円~)、氷・餌常備。年中無休。出船は午前5時半ごろ、納竿は午後4時(季節によって変動)。

【交通】大阪方面から阪和自動車道、紀勢自動車道を経由。すさみ南ICから国道42号を南下。串本町に入り、潮岬東入り口の信号を右折。県道41号に入り、くしもと大橋を渡って同40号を進み、1本目の突き当たりの三差路を大島港方面に左折すると渡船場。