青物に加え、高級な根魚が好調に釣れている中紀・日ノ岬沖へ4日、御坊・美浜町の乗合船「千代丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。午前5時半から小アジを掛けて大物を食わせる落とし込み釣りで挑戦。底潮が動きだすと次々に竿が曲がり、竿頭で62~75センチのメジロを5匹に48センチのカンパチ、ハマチを仕留めた。何が食ってくるかわからないドキドキ感と竿を絞り込む強烈な引きを堪能した。

日ノ岬沖は、カンパチやメジロにカツオなどの青物に加え、オオモンハタなど根魚の魚影が抜群に濃い。そんな多彩なフィッシュイーターが待ち受ける海では何が食ってくるのかわからない。それが落とし込み釣りの魅力だ。9月21日には大阪の吉村さんが95センチのオオスジハタを仕留めており、大物への期待が膨らむ。

午前5時半ごろに出船。港近くで予備餌の小アジを釣っていると「底に大きいのがいるぞ」と細谷健太船長から指示があり、あわてて太仕掛けに交換。底まで落とすと船尾の宮脇啓行さん(堺市)がいきなり48センチのカンパチをゲット。記者も51センチを仕留め、日の出までに船中で40~51センチのカンパチを3匹、40~50センチのハマチも数匹上げる好スタートを切った。

いきなり、本命のカンパチをなんなくゲットし、にんまり。沖へ船を走らせる。落とし込み釣りは、餌の小魚をいち早く針に掛けることが大事。あとは、底から1~3メートルほど上で仕掛けを止めてアタリを待つだけ。

時合がきたのは午前10時すぎ。水深48メートルのポイント(底は人工漁礁)に入ると底潮が適度に流れだし、小魚を掛けたあと、底から3メートル上で待つとアタリが連発。全員の竿が同時に曲がり、62~68センチのメジロが次々竿を絞り込む。これが落とし込み釣りの爆発力だ。小魚を追い回している青物だけに食い気満々。

ここからは船長が小魚の群れをとらえ続け、船内で誰かが竿を曲げている状態が続く。宮脇さんはメジロを連発で食わせ「落とし込みは餌の小魚が暴れ、竿先が海面に引き込まれるまでのドキドキ感がたまらないね」と興奮ファイトを堪能。

午前11時ごろになると根魚もヒット。初めて落とし込み釣りに来たという船首の眞壁一晃さん(寝屋川市)がなんと40、48センチのオオモンハタを2連掛け。「まさかの高級魚で、しかもダブル。たまらないですね」と大喜び。ビギナーでも簡単に高級魚をゲットできるのが、この釣りの面白さ。船首の北野高司さん(東大阪市)も50センチのヒラメを釣り上げ「千代丸の船長はいろんな魚を釣らせてくれるので楽しいね」と笑顔をみせる。結局、竿頭は宮脇さんで62~75センチのメジロ5匹と48センチのカンパチにハマチを仕留めた。【中村和嗣】

【今後の見通し】水温が下がってくると60~70センチのカンパチが期待できる。極端な水温低下がない限りは、メジロや根魚も釣れ続き、年末まで楽しめる。

【問い合わせ】千代丸【電話】0738・23・1621。乗合船料金1万2000円(仕掛け1つ、氷付き)。午前5時集合。落とし込み釣りは日刊銀鱗倶楽部加盟店にお任せ ほかにも、福丸観光漁業【電話】同・23・1091、谷野丸【電話】080・1496・4938が出船中。

【交通】湯浅御坊道路の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡って、野口新橋西詰を左折。日高川沿いに河口へ走り、天田橋北詰を右折。国道42号に入り、2つ目の名屋町3丁目北信号を左折。500メートルほど進むと、千代丸の乗船場がある美浜新港に出る。