引きが強い明石海峡の青物を小アジののませ釣りで狙おうと、兵庫・明石の林崎漁港から出る「小松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で先日、淡路島沖へ出た。沖は青物の食いが立つ、西方向の流れで、朝から入れ掛かり。午前中に船中11人でメジロを21匹、ハマチを40匹以上釣り上げる爆釣だった。急流に乗って走るメジロの引きは、すさまじく、ロッドの胴まで絞るスリリングなファイトを存分に楽しんだ。

「明石海峡の青物はよう引くよ。特に今年は締め込みが強いわ」。常連たちの言葉通り、ひと流し目からあちらこちらでメジロ、大ハマチが竿をぐいぐい絞った。ポイントの水深は40メートル前後。青物の食いが立つ流速3・5ノット(時速約6・5キロ)の潮が西へ勢いよく流れる好気配。

記者も1投目からアタリをとらえ竿が満月に。ラインを一気に引き出す激しい引きをみせたのは60センチ超えのメジロだった。そんな中、目を引いたのは食い込みがよく、パワフルな引きをいなせる6対4調子ののませ釣り専用ロッドを使う小寺雅次さん(尼崎市)と常連の生田富和さん(明石市)。

次々にアタリを捉え胴までしなる締め込みを堪能。「前アタリがきて、竿をひったくっていくのを待つときのドキドキ感、強烈な締め込みが最高ですね。特に体がもっていかれそうになるメジロの突っ込みはたまらんよ」と意気揚々。

釣り方はアジの上あごに針を掛け、底まで仕掛けを落として待つだけ。潮が速いので糸を出しすぎるとおまつりになるので注意。コツはいかに素早く、取り込むか。うかうかしていると、ほかの人の仕掛けと絡まり、獲物をばらしてしまう。

船を流し返すごとにアタリが続き、海の中は青物だらけの様子。記者も、大ハマチに70センチ超えのメジロを追加し、急流に乗って走る強烈なファイトを満喫。船尾では前回、初めてのませ釣りに訪れ、やみつきになったという清水啓史さん(門真市)が立て続けにメジロ、ハマチを仕留め「体全体で突っ込みに耐えるスリリングなやりとりが、最高ですね」と目を輝かせる。

潮の流れは、少しずつ緩くなっていくが、アタリはやむことなくブリクラスのバラシも。結局、正午前までに船中でメジロが21匹、ハマチが40匹以上あがった。竿頭は船尾の森本勝徳さん(大阪市)で45~78センチを9匹ゲット。「底をしっかりとって、底から50センチほど上でアジを泳がせることを心掛けた。あとは餌のアジが大きめだったのでしっかり食い込むのを待ったのもよかった」と振り返った。

小松乗合船では、潮読みが抜群の小松達史船長が青物の好ポイントへエスコート。船長の妹で看板娘のまどかさんが、釣り方のアドバイスやランディングを手伝ってくれるので快適。初心者でも安心ですよ。【近江康輔】

【今後の見通し】20~25日の出船で青物狙いは終了となるので、ラストチャンス。その後は、ウマヅラハギに切り替わる。こちらも昨年、かなり釣れたので期待できるだろう。小潮回りはタチウオ釣りで出船する。

【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。青物の乗合船料金は8000円(小アジ釣り用のアミエビ付き)。午前5時20分までに集合。木曜定休。

【交通】第二神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂交差点を直進。山陽電鉄の踏切を越え林小学校前の信号を右折し県道718号へ。3つ目の信号を左折。林崎漁港内の同乗合船待合所へ。