本紙プロ野球解説者の“大魔神”こと佐々木主浩氏(53)と松本秀夫アナウンサー(60)の釣り対決第12弾が8日、高級魚アカムツを対象に行われた。同対決はサンケイスポーツとの共同企画で開催。今回はサンスポ指定船宿の茨城・波崎「第七仁徳丸」が舞台となった。これまでの対戦成績は大魔神の7勝2敗1分け1無効試合。

高級魚“ノドグロ”の名で親しまれるアカムツは深海に生息。ポイントは午前4時半の出港から約2時間半ほどの大陸ダナ周辺となる。「水深250メートル。オモリは200号でお願いします。はいどうぞ!」。三橋正幸船長の合図で一斉に仕掛けを投入。アカムツ釣りは深海を狙うため、オモリの重量を合わせ、仕掛けを一斉投入しないとオマツリ(他人の仕掛けと絡むこと)してしまう。さらに、この日は上下の潮の流れが違う二枚潮だった。大魔神は1投目でアタリに合わせたが、いきなりのオマツリとなった。

そんな大魔神を横目に「当たってるのかな?」と松本アナ。「当たったような気がしたので巻いてみます」で上げると、そこには赤い魚影。「もしかして…」と色めき立つ。仕掛けを手繰ると約40センチのアカムツの姿。普段、小ぶりばかりを釣り上げることから“松本サイズ”なる言葉まで出来てしまったほどだが、この日は船中第1号のデカムツを上げた。「やばいな~」。普段とは違う松本アナの好スタートに、大魔神は思わずつぶやいていた。

その後も松本アナがヒット。「船長の『はい上げて』で巻いたら掛かっていた」のおとぼけヒット。これは最初の獲物よりもやや小ぶりだったが、なんと2回のオマツリをへて上がってきた、しぶとい1匹となった。

一方、大魔神は二枚潮に翻弄(ほんろう)されていた。用意していた自作の仕掛け5セットをオマツリで失い、ついには船上で仕掛けを作る事態となった。「釣りにならないよ~」。そう嘆く大魔神のサオにアタリが来ると、しっかり合わせた。「これは上げたいね」。だが、残り107メートル辺りで突然のラインブレーク。「うそだろう! サメか? 100メートルも持って行かれたよ。一昨日巻き直したばかりなのに…」と意気消沈。「もう戦意喪失だよ…」と珍しく弱音が漏れた。

そんな大魔神の横で松本アナは順調に釣果を伸ばした。「私、釣れない歴50年でしたが、今日で一生分釣っているかもしれません」と本人が最も驚いていた。結局本命は4匹ゲット。大魔神も船長の「ラスト1回ね」で約20センチの本命を上げ意地を見せたが、「今回はまっちゃんの圧勝だね」と完敗を認めた。その上で「悔しいわ~。近いうちにまた来るから船長、よろしく!」とリベンジを誓った。

三橋船長によれば、「犬吠埼沖では1月から始めているけど、最初は釣果をだせるくらいだった。でも月末から型も良くなって来て、今日も40センチ以上が何匹も上がっています。今後も期待できますよ」と胸を張った。

貴重な1勝で連敗を阻止した松本アナ。実は、アカムツ釣りは今回が2度目。「私が釣れるので、誰でも釣れると思います!」と自虐的にアピールした。

この日の模様は、本紙およびYouTube「ニッカン釣りちゃんねる」で後日公開する。