春の訪れとともに、渓流釣りが3月1日から順次解禁となる。水がぬるむこの季節、ヤマメやイワナなどが清流の中から顔を出す。釣りの後は温かい麺類を食べたり、日帰り温泉に入ったりと、のんびり楽しんでみてはいかが? 日刊釣りペンクラブの相吉孝顕会員(87)のおすすめは、山梨・桂川の支流の鶴川。渓流らしい景色の中で、狙う獲物の引き味が堪能できれば十分だ。その他の河川のワンポイント情報も紹介しよう。

山梨県上野原市を流れる鶴川は、桂川の支流の中でも人気が高い。相吉会員は、「神戸(ごうど)、大垣外(おおがいと)から初戸(はど)まで約3~4キロがおすすめのポイント」と言う。渓流らしい景色が点在する中でイワナやヤマメを狙う。初戸から先は、右に初戸川の流れ込み、左は深い谷筋の流れが腰掛に向かう林道沿いへと続く。こちらも有望ポイントだ。また、阿寺沢川との合流点を過ぎた西原(さいはら)地区は護岸帯も目立つ。例年、魚が集まりやすい。

この時期に狙うのは、日当たりが良くて、深みがあって流れも緩くなる「トロ瀬」。影があって身を隠せる水中の大石周りや、組まれた石垣の下などにいる。

川は例年に比べ、現在やや減水している。地元の桂川漁協によると、事前にヤマメの放流も行う。橋や土手の上などから川の中が見える。どのあたりに獲物がいるのか目視で見当をつけてから川に入るのが、釣果に直結するだろう。

解禁当初のエサはイクラが有利。サイズは18~22センチ。天然モノの方が針掛かりした後に抵抗する。渓流ザオの弾力でうまくかわし、引き味を楽しむのが一興だ。

数釣りもいいが、「これから釣りができるというお祭り気分を優先させてほしい」(相吉会員)。鶴川上流の飯尾あたりまで足を延ばして釣行してもいい。余裕があれば隣の小菅村の温泉施設へ。冷えた体を温めたり疲れを取るのも、渓流釣りの楽しみでもある。

<釣り場での注意点>

釣り場に行く際、十分注意しておきたいことがある。

◆河原の浮き石 いいポイントに早く入ろうと焦ると、浮き石に足を取られて捻挫する。足場には十分気を付ける。

◆身は低く 太陽の位置を絶えずチェックする。川面に人影が映ると、臆病で警戒心が強い渓流魚はさっと身を隠し、一気に食いが渋くなる。姿勢をかがめて足音を立てずに近寄る。

◆路面の凍結 4年ぶりの厳寒なので、日当たりの悪い道は避ける。山あいの道路を車で入るので、スピードの出し過ぎは厳禁。

<その他の河川のワンポイント情報>

※(1)料金(日=日釣り券、現=現場売り、年=年券)(2)放流情報(3)問い合わせ

<群馬県>

◆吾妻川本支流(温川、四万川など)

(1)日1000円 現1500円 年7350円(2)ヤマメ成魚200キロ、同稚魚約12万匹、イワナ稚魚約1万7000匹(3)吾妻漁協【電話】0279・75・4114

◆渡良瀬川本流及び支流(桐生川など)

(1)日1500円 現3000円 年8000円 (3)両毛漁協【電話】0277・32・1459。放流情報、キャッチ&リリース(再放流)区間などはHP(http://www.ryomo-fishing.com/)で

◆神流川上流本支流

(1)日2000円 現4000円 年1万1000円(2)ヤマメ成魚4650キロ、稚魚5万匹など(3)上野村漁協【電話】0274・59・3155。https://www.ueno-fc.com/

◆神流川中流本支流

(1)日1500円 現3000円 年6000円(2)ヤマメ成魚1500キロ、同稚魚1万匹、イワナ5000匹(3)南甘漁協【電話】0274・57・3464。http://blog.livedoor.jp/kannamachi/

<栃木県>

◆那珂川本支流(蛇尾川、余笹川、箒川など)

(1)日1500円 現3000円 年7000円(2)ヤマメ(成魚・稚魚計5000~6000キロ)など(3)那珂川北部漁協【電話】0287・54・0002。http://www.nakagawa-hokubu.or.jp/

<埼玉県>

◆荒川上流の本支流

(1)日1800円 現3000円 年7000円(2)ヤマメ成魚2400キロ、稚魚5万匹、発眼卵10万粒、ニジマス1850キロ(3)秩父漁協【電話】0494・22・0460。https://gk-chichibu.blog.ss-blog.jp/

<東京都>

◆秋川(沢戸橋上流本支流)

(1)日2000円 現4000円 年6000円(2)ヤマメ成魚8万匹、稚魚15万匹、発眼卵約13万粒(3)秋川漁協【電話】042・596・2215。https://akigawagyokyo.or.jp/

◆峰谷川・小袖川・岫沢

(1)日1000円 年4000円(3月1日は峰谷川のみで1550円)(2)ヤマメ、イワナ稚魚各3万匹(3)小河内漁協【電話】0428・86・2623

<神奈川県>

◆酒匂川本支流(ダム上流で工事も)

(1)日1500円 現2500円 年1万2000円(2)ヤマメ成魚・稚魚計400キロ、イワナ成魚300キロ、ニジマス60キロ(3)酒匂川漁協【電話】0465・37・4277。http://www.sakawagawa-gyokyou.jp/

<山梨県>

◆道志川本支流

(1)日1200円 現2000円 年6000円(中学生・女性・身障者半額)(2)ヤマメとイワナの成魚3300キロ、稚魚300キロ、ニジマス320キロ(3)道志村漁協【電話】0554・52・2966、つり情報【電話】0554・52・2669。https://r.goope.jp/doushigyokyou/info/3776390

◆釜無川本支流

(1)日1000円 現2000円 年5000円(2)アマゴ10万匹以上、イワナ稚魚4000匹(3)峡北漁協【電話】0551・27・2580。http://kyohoku-gyokyo.com/

◆桂川下流の本流と支流(鶴川、葛野川、笹子川など)

(1)日1000円 現1500円 年5000円(2)ヤマメ成魚約2万匹など、イワナ稚魚9万匹、ニジマス2800キロ(3)桂川漁協【電話】0554・63・0083。https://www.katsuragawa-gyokyo.net/

◆富士川支流(佐野川、福士川、常葉川など)

(1)日800円 現1200円 年4000円(2)アマゴ稚魚3万匹、同成魚720キロ、イワナ稚魚4000匹、ニジマス100キロ(3)富士川漁協【電話】0556・62・2000。http://fujikawa-gyokyo.or.jp/

<静岡県>

◆気田川本支流

(1)日1500円 現2500円 年7000円(2)アマゴ成魚300キロ、同稚魚1万匹、ニジマス500キロ(3)気田川漁協【電話】053・985・0211

◆河津川本支流

(1)日1000円 現1500円 年6000円(2)アマゴ成魚135~150キロ、同稚魚1万匹(3)河津川漁協【電話】0558・34・0316

◆狩野川本支流

(1)日1200円 現1700円 年6600円(2)アマゴ成魚600キロ、ニジマス200キロ(3)狩野川漁協【電話】0558・72・5945。https://kanogawa-gyokyo.jimdofree.com/

◆興津川本支流

(1)日1500円 現2500円 年7000円(中学生以下無料、高校生・女性・身障者は半額)(2)アマゴ成魚2万匹(3)興津川漁協【電話】054・393・3894。http://okitsugawa.com/