香り高い美しい野アユを求めて和歌山・日高川龍神地区へ先日、友釣りに出掛けた。渇水続きのタフなコンディションだったが、石色が明るいところを狙うと野アユの反応は良好。水通しがいい流芯底や石の頭を止め釣りでトロ場を上飛ばしで攻めると爽快なアタックで目印を飛ばしてくれ、追い星くっきりの14・5~19センチを44匹追わせた。魚影が濃く、海産の追いも本格化するので期待大ですよ。【日刊FPC・下田成人】

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雨が小降りになるのを待って午前9時半過ぎ、大熊のかめたに橋から約500メートル下流に入った。ここは岩盤底の瀬や淵、段々瀬と変化に富んだポイントが続く。水況はかなりの減水。少しアカ腐れの状態で厳しい釣りが予想された。

まずは、淵尻からオトリを上らせ、瀬落ちの白泡の切れ目まで進ませると、ギラッと光り、目印が上流へ。取り込んだのは背ビレの長い17センチの美しい野アユだった。タモの中でスイカのような甘い香りが漂う。難なく1匹目をキープ。

次は岩盤底の瀬を引き上げながら探るとククッ、ギュイーン。心地良いアタリで16センチが背掛かり。予想よりも野アユの反応がよくてにんまり。アカの状態がいい石の頭を止め釣りで攻め続け、15~18・5センチを正午までに16匹追わせた。

午後は湯布橋から約800メートル上流の瀬に入った。こちらは大小様々な石が点在している。まずは、オトリを大石の裏に入れるが、反応なし。それならと石の頭でオトリを止めると、すぐにガツーン、ビューンと目印が対岸に吹っ飛ぶ。

瀬の中を元気に走り回る引きを楽しみ、タモに飛ばしたのは体高があるナイスボディーの19センチ。やはり友釣りはアカ次第。石頭のほかにも、流芯底に変化があるポイントなど、石色の明るいところで激しい追いが続き5連続の入れ掛かり。

次は縄張りアユがアカをはむのが見えた瀬肩を静かに泳がせ釣りで探る。目印を水中に入れ、抵抗を大きくしたり、テンションを抜いたりしてオトリの泳ぐスピードに変化をつけながら上流に泳がせると目印がふっと止まり、一気に水中へ。トロ場を縦横無尽に走り回ったのはまっ黄色な18センチ。ここでもしばし入れ掛かりを堪能。結局、午後4時前にまでに14・5~19センチを合計44匹追わせて納竿した。

【今後の見通し】海産アユのくみ上げ放流がされているので、これからが最盛期だ。型もよくなり、本格的に追いだす。魚影が濃いので終盤まで数釣りが楽しめそう。

【問い合わせ】松阪食堂 【電話】 0739・79・0259。年券は1万1000円、日券は3300円。

【交通】湯浅御坊道路の有田ICを出て、県道22号、国道424号、同425号、同371号を経由して龍神温泉方面へ。温泉トンネルを抜けると右側に松阪食堂がある。同ICから約1時間半。