脂の乗った寒サバを狙って和歌山・湯浅の「なぎ丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で12日、紀伊水道のラングイへ出た。午前7時前からサビキ仕掛けで開始。30~41センチ(マアジ交じり)を船中1~3連掛けで好スタートを切ったが、イルカの群れが来襲し、群れが散ってしまった。それでも群れを追いかけ、拾い釣りで数を伸ばし、81、82センチの寒ブリも2匹上がった。活性が高ければ、左右に暴れ回る豪快な引きと数釣りが楽しめる。【中村和嗣】

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前半は順調に寒サバ、マアジの群れをとらえて数を伸ばしたが、後半はイルカの乱入で、群れの移動が速くなり、しかも食い渋りで厳しい釣りとなった。

午前7時前、紀伊水道のラングイ(水深170メートル)に入った。海はなぎで絶好の釣り日和。西本船頭が大きな群れをとらえた。記者は左舷船首でサビキ仕掛けをセット。「水深80~140メートルで始めて」との指示で流し釣りを開始した。

隣で釣るのは徳本憲治さん、佳穂理さん(芦屋市)夫妻。その妻、佳穂理さんのサオ先にまず、ブルブルと食いアタリが。仕掛けを引き上げると、33センチ前後のサバとマアジの3連掛け。続いて夫の憲治さんも同型のサバを2連掛けでゲット。

船尾では、六車由浩さん(伊丹市)が、脂の乗った35センチ級のサバを2連掛け。「落とし込んでいる途中で、食い上げて掛かりました。おいしそうですね」と、笑みを浮かべ、その後も同じようなアタリが続き、数を増やしていく。船中もサバとマアジの1~3連掛けで盛り上がっていった。

午前9時ごろには、佳穂理さんのロッドが絞り込まれ、上がってきたのは81センチの寒ブリ。「最初の手応えから、サバの3連掛けかなと巻き上げてきたら、急にリールが逆回転して驚きました。寒ブリが釣れていいお土産ができました」と、思わずガッツポーズを決めてにんまり。

このまま順調に釣れ続くかと思ったが、午前10時ごろ、突然イルカの群れがベイトを求めて来襲。これでサバの群れが一気に散ってしまった。

その後は群れを求めて、粘りの釣りが続いたが、終了が近づいた午後1時前、右舷の大前修司さん(羽曳野市)の竿がグイグイ満月にしなる食いアタリ。数分の格闘の末、82センチの寒ブリを仕留めた。「サバは数が釣れなかったが、最後にブリが釣れたので、スカっとしました」と満足顔。そして午後1時半に納竿となった。

竿頭は徳本さん夫妻で、81センチ寒ブリ、31~38センチ寒サバ26匹、30~33センチマアジが11匹だった。今回は不運もあったが、これも釣り。記者の釣果もいまいちだったので、リベンジを誓って釣り場を後にした。

【今後の見通し】寒サバは食いムラもあるが、例年に比べて型はよく、6日に49センチが釣れている。大きな群れにあたれば35~45センチの数釣りが3月末まで楽しめそうだ。マアジも30~35センチとサイズがよくお土産にもってこいだ。

【問い合わせ】なぎ丸【電話】0737・62・3890。寒サバの乗合船料金は1万2000円(仕掛け1個、氷付き)。無料仮眠所あり。受付集合時間は要確認。

【交通】電車はJR紀勢本線の湯浅駅下車。海岸方向へ徒歩約15分。車は阪和自動車道有田ICを出て国道42号に入り湯浅の交差点を右折。約3分で湯浅港。