釣り大好き演歌歌手の出光仁美(38)が6日、千葉・勝山「宝生丸」(高橋賢一船主=45)で落とし込み釣りに挑戦した。

この釣りは、まずサビキ仕掛けでアジを掛けたら、そのままアジを餌にワラサやブリ、カンパチなどの青物を狙う。「2回目だけど過去アジは釣っているけど、青物は釣れたことはないんです」とうつむく出光。日刊スポーツ釣り取材では“ボウズ”のイメージが強いせいか、「アジが釣れればボウズではないですよね?」と確認。アジは餌なので本来であればアウトだが、今回は“出光ルール”でボウズ回避とした。

7日は39歳の誕生日。釣りの神様からの前祝いプレゼントか、朝イチの1投目でアジのアタリ。「これは、もしかしたら付いているかも」と言うと、おもむろにロッドキーパーにサオを掛け、置きザオにした。「これでガーンと来たら合わせるんですよね? 何だか上げてみたくなります」。ぬれたソックスを脱ぎ、絞りながら待っていると、サオ先が大きく2度しなった。「何か来とる!」。ロッドキーパーに掛けたサオを外さずそのまま立てると、電動リールを巻いた。何度もサオ先がガツンとしなる。「気持ちいいよ、これ!」。

だが、残り20メートルほどで獲物が激しく暴れた。必至に耐えた瞬間、テンションが抜けた。「あっ!?」。思わず声が漏れ、「おらんくなった。バレたか…」。タモ入れの準備に入っていた小滝俊之船長(28)は「10キロ超えがいるから、サオを(キーパーから外して手に)持ってやらないとバレてしまう」と話したが、もはや後の祭り。

その後、釣り友の木村孝一郎さんが5・15&6・82キロのワラサを上げた。一方出光は、餌のアジこそ掛けるが、そのアジを飲み込む大物は現れなかった。「アジしか釣れなかった。悔しい」。“三度目の正直”とはならなかった。

実はこの取材、誕生日当日の7日予定だった。しかし、台風13号の影響で出船が危ぶまれ、急きょ6日に前倒しとなった。「7日だったら、釣りの神様がプレゼントしてくれたかもしれなかったのに…」。ほぼ言いがかりの恨み節を口にしたが、そもそも7日のままであれば釣り自体が…。

小滝船長はこの日の状況を「アジの反応も良く、潮の流れも良かった」。出光がバレたポイントでは保田「村井丸」が、ハリス18号でも切られたようだ。「10キロ超えが多く回っていますが、ほぼ切られています。上がっているのは8キロ級」。そもそも青物は回遊魚だが、「この時季、このあたりに来ます。いつまで釣れるかは分からない。アジの反応がなくなると、ワラサ、ブリも抜けてしまいます」。つまり、今がチャンス!

この日の模様は17日発売の日刊スポーツ釣り面(関東版)に掲載予定。また、ユーチューブ動画「ニッカン釣りちゃん」は近日公開予定だ。

【川田和博】