「第36回JFT(全日本釣り技術振興評議会)コムテックカップ全日本かかりチヌ(クロダイ)王座決定戦」が25~26日、静岡・清水港で、「原金つり船」「ふじや釣舟店」「山本釣船店」協力のもとに開催された。

同大会は全国から選ばれた8人による総当たり戦で争われ、1試合2時間(前後半で釣り座の交代あり)、体長制限なし(クロダイおよびキビレ)の総匹数で勝敗を決定。なお、勝ち点(勝ち=3点、釣果ありの分け=1点、釣果なしの分け=0・5点、負け=0点)が同じ場合は、全試合の釣果差が優先となる。1日目は合計344匹、2日目は132匹のクロダイやキビレが釣り上げられた。

優勝は6勝1敗の計72匹で勝ち点18をあげた鈴木貴浩選手が圧勝。3回目の出場で初優勝を飾った。優勝スピーチでは大会関係者や渡船店への感謝を述べ、所属チームへの感謝を伝えると感極まり言葉を詰まらせた。それでも「また来年も、もっと強くなって連覇できるように頑張ります。ありがとうございました」と言葉を続けた。

勝因について、「今年はなぜか焦らず、力まず、リラックスして全試合できた。いつもなら焦って失敗することが多いけど、今回は自分の釣りに徹して、人の釣りに惑わされずに通せたことだと思います」と語った。準優勝の兼松伸行選手(大阪日刊釣りペンクラブ)から「僕に勝ったことです」の声が飛び、会場が笑いに包まれるシーンもあった。

競技会などが盛んに行われているのが、かかり釣りの特色の1つ。表彰式の選手たちからはただ競うだけではなく、仲間とのつながりを大切にしている気持ちが伝わってきた。【渡辺久美子】

▼準優勝の兼松選手。「昨日までは清水港が大嫌いと思っていたのですが、今日は大好きになりました。『いい海やなぁ』と思って楽しみながら3試合し、釣ることができました。現役でやっている以上は負けずに、しっかり練習を積んで、やはり練習したものが勝つということを証明できるようにしたい」。

▼3位の森圭一郎選手。「自分が勝ちたいと思っていたころには勝てなかったのが、サポートしてくれる会員のために勝たなきゃいけない、負ける訳にはいかないと思うようになってから勝てるようになった」。