本紙野球評論家で“大魔神”こと佐々木主浩氏(55)が千葉・小湊「鯛丸」(佐藤秀則船長=43)で、マダイ五目に挑戦した。「鯛の浦」で有名な小湊沖でマダイとともにさまざまな獲物が狙えるが、例年通りであればこの時季、ヒラマサとのリレーも楽しめる。“海のスプリンター”とも呼ばれるヒラマサだが、8月には20キロ超も上がっている。大物ハンターの血が騒いだ。
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「コマセでヒラマサが釣れるの? いいね~!」。餌釣りにこだわる大魔神だったが、佐藤船長は「9月末の雨からヒラマサはいまひとつ…というか良くない」。昨年はこの時季に20キロ超のヒラマサが顔をみせていたが、「今年は時季が早まっている。しかもあの雨で水温が一気に3度下がった」。魚は変温動物。海水温が下がれば活性も下がる。しかも、魚の温度に対する感覚は人間よりも敏感で、10倍とする説もあるほどだ。
ポイントは小湊港の目と鼻の先。佐藤船長の指示は底から10メートル。「底からの指示はめずらしい。昔は底からだったけどね」。大魔神流は、ビシが着底したら4~5メートル巻き上げてコマセを出し、指示ダナまで上げる。「上からの指示と変わらない」。早々に当たるが、上がったのは大型のサバフグ。その直後にもアタリ。「ん~小さい。多分マダイのリリースサイズだな」。実際、大魔神の手のひらサイズ。「大きくなって帰って来いよ」とチャリコ(小型のマダイ)に声をかけてリリース。その後も連続チャリコヒットで、ヒラマサタイムは終了。
マダイタイムに突入も、「ヒラマサを釣りたいな…」と後ろ髪を引かれていた。しかもこの日は、大魔神の腕をもってしてもアタリを出せない。最初「5キロは行きたいね」から始まり、時間の経過とともに「昨日の最高は2・5キロ? それは行きたい」に変わり、最後は「キロオーバーでいい」と変わった。結果は釣果なし。
ラストは再びヒラマサタイムだが、ここでもチャリコの猛攻。通算5匹目が針をのみ込むと「このサイズで12号(の針)をのむ? ちょっとイラッとしたな」で13号に上げたが、ここでタイムアップ。船中ヒラマサはアタリなし。大魔神はチャリコ5匹ヒットも全てリリースに終わった。
「日が悪かったね」と大魔神。佐藤船長は「今年のヒラマサは7月中旬くらいから良くて、今は休憩状態。水温や潮の関係など要因はいろいろ考えられるけど…」と言うと、記者をちらっと見た。「最近のパターンとして朝イチに反応が出ているのに当たらない日は、その日1日が盛り上がらない。今日もそのパターンだった」。だが、水温が安定すれば、まだまだヒラマサチャンスはありそうだ。「釣れ始めたら連絡してください。すぐに来ますから!」。再戦を誓う大魔神だった。【川田和博】
■120メートル走られた
取材当日、8月4日に23・7キロのヒラマサを釣り上げた常連客の市原正勝さんが乗船していた。その時の様子を「サオが一気にバーンとしなって、120メートル走られた」と振り返った。「ハリス10号だったので、走った時に抵抗して引っ張ったら切れてしまうので走らせるのですが、かといって走らせすぎても根に入られてしまう。やりとりが大変だった」という。「あの日はお客さんも少なかったので船の前を全部使えたし、船長も船を走らせてくれたので必死に巻いて上げられた」と続けた。
■3キロのワラサ
佐藤船長の次男で次期鯛丸船長の佐藤孝樹さん(19)も仲乗りの手伝いをしながら、釣り人として乗船した。この日の船中1匹目となる3キロワラサを釣り上げ、その後ソウダガツオ、マダイを釣り上げた。ヒラマサは掛けた経験はあるが、「まさに瞬殺でした」と苦笑し、「あの引きを経験したらハマると思います」と話した。
<佐藤船長アドバイス>
佐藤船長は「青物狙いとマダイ狙いではコマセワークもビシの種類も違う」という。「青物はコマセに突っ込んで来るのでバンバンまいた方がいいが、マダイは出し過ぎると餌取りが集まって来るのでチョロチョロでOK」。これによって、ビシの種類も変わって来る。ビシは大きく分けると2種類ある。プラスチック製のいわゆるサニービシと、ステンレス製のステンカンや鉄仮面と呼ばれるものだ。「青物はしゃくった際に上からも出るサニービシがより有効です。しゃくってもチョロチョロのステンカンは、どちらかと言えばマダイ向けだと思います」と話した。
▼小湊「鯛丸」【電話】04・7095・2705。集合午前5時15分、餌&コマセ&氷付き1万1000円。※基本的にマダイ狙いだが、五目で釣れる魚は時季によって変わるため、詳細は船宿に確認を。

