若狭は今、マアジフィーバー! 福井・若狭本郷の「はやし渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で19日、小浜湾内の漁礁に釣行。20~28センチが鈴なりになって竿をしならせ、午前6時半から5時間半ほどで船中5人、512匹の爆釣劇。竿頭は219匹の大釣りだった。【大津賢一】

「今めちゃくちゃ釣れてます! クーラーボックスがいっぱいになって早めに終わっちゃう人もいるくらいですよ」と、林和正船長は最近の爆釣っぷりを熱く語る。

午前6時半頃、漁礁周りのポイント(水深約10メートル)に到着。船長の合図でサビキ仕掛けを投入すると、いきなり周囲の竿が曲がり、連掛け続出! しばらくして記者の竿にも「デデデデーン!」といったアタリが来て、引き上げると20センチを超えるマアジが姿を現した。ほどなくして記者のサビキ6本針仕掛けにも4匹が掛かるほどの入れ食い状態になった。

とにかく、全部型がいい。小アジクラスは皆無だ。午前7時過ぎには、一段と重い感触で記者の竿が曲がり、取り込んだのは26センチの元気なマアジだった。

入れ食い状態はその後も続き、魚が付かない状態になることがほぼない。コンスタントに1~3匹は掛かってくる。

あまりに釣れすぎて、午前9時過ぎには船長の予言通り、記者の小型クーラーボックスは早々に「満員御礼」となってしまった。マアジ72匹とキジハタ、カワハギ、チャリコが各1匹。ここからは皆さんの爆釣っぷりをじっくり観察する。

船尾には、前回6月のキス釣りにも参加していた田中雅夫さん(大津市)と、今回は顔出しNGのハットリさん(愛知県)のベテラン2人が鎮座していた。午前9時過ぎの段階で、2人ともクーラーボックスの中に尋常でない数のマアジが入っている。

午前10時を過ぎると、やや食いが悪くなる。より大型が期待できる別の漁礁周り(水深約15メートル)へポイントを変える。すると、最初のポイントより一回り大きいマアジがそれぞれの竿を曲げていく。午前11時頃にはハットリさんがこの日最大の28センチを仕留めた。

爆釣フィーバーも落ち着いてきた正午前に納竿となった。竿頭は驚きの219匹を釣ったハットリさん。自作の仕掛けワンセットだけで今回の釣行に臨んだハットリさんは「11本針の長い仕掛けを絡ませないように、細心の注意を払うことが釣果アップのコツ」と話した。120匹と安定の3ケタ釣果をマークした田中さんは「狙い通りに釣れるとうれしい」と、キス釣りだけでない多才ぶりを示した。船首左舷で釣っていた京都・宇治市の龍澤尚文さんと船川喜人さんは「引きの強いアジが釣れて楽しかった」と口をそろえた。

本命のマアジばかりではなく、ときには珍客も。カワハギやキジハタ、チャリコなども姿を見せ、五目釣りも楽しめる小浜湾。波風も穏やかで初心者でも親しみやすい。船長が「今年は最大38・5センチが出ており、これから40センチ以上も十分狙えますよ」と話すように、マアジ釣りはまだまだこれからヒートアップしていく。

【今後の見通し】マアジは12月15日まで出船予定。これから水温が下がるにつれて型がよくなり、25~30センチ級が期待できる。40センチ超えも夢ではないので、ぜひ狙ってみてほしい。

【問い合わせ】はやし渡船【電話】0770・77・0591。乗合船料金7650円(アミエビ4キロ付き、氷別)、仕立船は5人まで3万5000円、増員は中学生以上1人7000円、小学生1人4000円。午前5時半までに集合。仕掛け、エサ常備。

【交通】大阪から中国自動車道、舞鶴若狭自動車道を利用。小浜西ICを出て、国道27号に入り、舞鶴方面へ。約3キロで右側に同渡船がある。現在、舞鶴若狭自動車道や京都縦貫自動車道では平日夜間通行止めになっている区間がある。事前にしっかり確認を。