BS釣りビジョン「きょうも大漁! 関東沖釣り爆釣会」6代目リーダーを務める太田唯(28=以下「リーダー」)が、埼玉・円良田湖でワカサギ釣りに挑戦した。人生2度目となるワカサギ釣りの目標は100匹。本人もビックリの“多点掛け”に覚醒し、目標を達成した。

ヘラブナ釣りが人気の円良田湖だが、ワカサギ釣りは10月20日に解禁。だが今年の解禁直後は水温が高く、釣果としては決して良いと言える状況ではなかった。先生役をお願いしたスタッフの山田茂さん(70)は「魚はいるけど食いは渋い」。山田さんは試し釣りも担当しており、同湖のワカサギを知り尽くしている。

同湖では桟橋とボートで楽しめるが取材当日、山田さんが選定した場所は常管桟橋。「風もあってボートは係留するのが大変。桟橋はヘラブナとの共有ですが、常管はまだ手付かずなので食う可能性が高い」。

タックルはワカサギ用電動リールを使用。ロッドは先生オリジナルの1メートルモノ。「この時季は回遊しているので広範囲に探れる方が良い。市販品はハウス用で短いから自分で作った」。仕掛けは10本針、餌は赤虫をチョイスした。

10本針全てに赤虫を付けること自体が細かい作業だが、「楽しい」と目を輝かせるリーダー。開始早々に1匹を掛けると「追い掛けを狙ってみます」。その宣言通り一気に5匹を掛けた。山田さんの「2度目なんだよね? センスがある」の褒め言葉に「私は褒められて伸びるタイプなのでどんどん褒めてください!」とほほ笑んだ。

ワカサギは2度目でも沖釣り歴は約5年。追い掛けの要領は得ている。その後もダブル、トリプルを連発させると、「1匹ではもう満足できないかも」と笑った。山田さんも「この調子なら100匹釣れるでしょう」と予言した。

魚の食い気が上がり始めると8点掛けも達成。これを2回成功させると「もしかして、湖の方が向いているのかな? 私って天才?」と自問自答。96匹を確保し、目標達成まであと4匹。仕掛けを投入するとすぐに当たった。「多分下の方で掛かったので、上の方の針で食わせるために仕掛けを少し沈めて…」で再びアタリ。合わせると穂先が大きくしなった。「これは良さそう!」。水面からこいのぼり状態で5匹が登場。これで合計101匹の束釣りを達成し、サオ頭も獲得。満面の笑みを浮かべると「次は1000匹目指します!」と大風呂敷を広げた。【川田和博】

◆「上」と「下」意識

多点掛けに覚醒したリーダー。そのコツを「例えば下の方で1匹掛かったら、合わせてから上の針に掛ける感覚でゆっくり仕掛けを下げました。逆なら上げます」とし、「合わせはそれぞれに入れるけど、一気に掛かるとズンと来るので、その時はゆっくりサオを上げてから、リールを巻き始めました」と話した。

◆桟橋 3つの基本

円良田湖桟橋でのワカサギ釣りの基本を紹介する。<1>タナ取り 着底したら糸フケを取り10本針のどこで食うかを確認。この時季は回遊しているので、時々サオを上げたり、立ったりで、広くタナを探る。日が高くなったら、日陰になる桟橋の際も狙い目。<2>誘い方 「手招きをするようして穂先を揺らす」「ゆっくり引き上げて止める」「引き上げた仕掛けをゆっくり落として止める」などその日の正解を探す。なお、電動リールにはいくつかの誘いが搭載されているものもある。<3>合わせ 入れないと掛からない。ピクピクと手に振動が伝わったらゆっくりサオを20センチくらい上げる。

◆赤虫ユスリカ期間、寒くなればサシ

ワカサギ釣りの餌は、主に赤虫と紅白のサシがある。山田さんが赤虫を選んだ理由は「円良田湖は赤虫の生息地なので、魚が普段食べていて違和感がない。羽化したユスリカが飛んでる間は赤虫が有利」という。また、「サシは普段湖にはいないのでいわば人工ですが、もっと寒くなって魚の活性が下がると有効」。いずれも重要なのは「仕掛けをしっかり振って、体液を拡散させること」と話した。

◆水温下がれば数も

解禁から約2週間が経過するが、「まだ水温が下がらずワカサギは回遊していますが、今年は全体的に型がいい」と山田さん。今後は「気温が下がれば水温は湖面から下がっていくので、比較的暖かい底に魚が固まります。そうなれば数も釣れるでしょう」とアピールした。

▼円良田湖「釣り事務所」【電話】048・581・8511。桟橋1日(午前6時~午後4時)2100円、半日(午前11時~午後4時)1100円、女性&高校生まで800円。ボート(午前6時30分~午後4時)1人乗り2600円、2人乗り3500円。全桟橋ヘラブナ釣りと共有。※詳細は電話で確認を。