アジとタチウオは東京湾の2枚看板だ。LT(ライトタックル)で狙うアジは、群れに当たれば25センチ前後の中型を主体に数が伸びる。バチコン(バーチカルコンタクト)で狙えば40~50センチ級の大型も夢ではない。タチウオはテンヤ、テンビン、ルアーと釣り方はいろいろ。産卵を控えて、幽霊のように雲隠れする前の晩秋あたりまで楽しめそう。今年活況を呈したシロギスは依然としてワキが良く、まだまだ狙える。復調がうかがえたスルメイカはそろそろラストチャンスだ。東京湾秋の陣、さて、何を釣りますか?
アジ LTで中型主体に数 バチコンでメガ、ギガ級も
アジは東京湾の船釣りの安定株だ。フライやたたき、なめろう、さんがにするとちょうどいい23~25センチが主体に、至るところで上がっている。活性が高ければ、一荷で掛かる時もある。
「一般に涼しくなれば群れがまとまって数が伸びます」(千葉「小峯丸」小峯雄大船長)。小峯丸の場合、9~10月は水深5~7メートルの浅場に入る。「初心者でも楽しめそうです」(小峯船長)。同じ千葉県内の内房・金谷「光進丸」(岡澤裕治船主)でも脂の乗った「黄金アジ」が釣れ盛っている。
40センチ超級の大型が出ているのは横浜・金沢八景「太田屋」だ。太田一也船長によると、「本来なら数釣りのはずが、型物の釣りにシフトしている」という。昨年に比べて大アジの出だしが2週間ほど遅かった分、ここに来て釣れているのかも知れないと予測している。
LTの場合、コマセをアンドンビシ(ビシ)またはコマセカゴに七~八分詰める。着底してコマセを細かく振り出したら、底から2~3メートルまで巻き上げてアタリを待つ。コマセを切らさないよう1~2分経過してアタリがなければ仕掛けを回収し、再度詰めて振り出す。この繰り返しで誘う。
サオ先がブルブルッと揺れてアタリが伝わったら、少し手首を返して穂先の揺れと獲物の重みを感じながら、一定のスピードでリールを巻く。海面にテンビンが見えたらサオを立ててビシを回収。サオを置いてビシをコマセが入ったおけに入れ、ハリスをたぐる。魚が針がかりしている近くまで腕を伸ばす。ハリスをつかんだらヒジを曲げてハリスを上げつつ、かがめた体を起こして船中側にひねって取り込む。この一連の動作がよどみなくできれば、数は伸びる。
ソフトルアーのワームをジグヘッドに付け、船下に垂直落下させるバチコンもオモリを着底させるまでは同じ。誘い方はいろいろだ。底付近を小突く、ラインを張らず緩めずの「ゼロテンション」にして道糸が不意に横に走ったり、穂先が突っ込んだら合わせる。30センチを超えるメガアジ、40センチを超えるギガアジを仕留めた時の気分は最高だ。
ワームの長さは2~3・5インチ(約5~8・8センチ)、色は最低でもクリア、グロー、ケイムラ、チャートを用意するといい。オモリは25号を推奨しているが、15、20、30号もあるといい。
タチウオ テンビン、テンヤ、ルアーなど手段いろいろ
タチウオはすっかり通年で狙う魚種になった。テンビン、テンヤ、ルアーなど釣り方は船宿によって違うが、いずれにしても120センチはありそうな型物が交じっている。「深場はテンビンの型物が多い。ルアーは浅場でゆっくり誘ってタダ巻きで食わせる。全体に小型が目立つが、数は伸びている」と川崎「つり幸」の幸田一夫船長は言う。
ルアーで狙う「太田屋」の太田船長は、「ここにきて小さいのが交じる。初心者にはちょうどいいのでは」と話す。メタルジグの100~120グラムが中心だが、深場を攻めたり潮の流れが速いのに対応するため、150グラムや200グラムも用意しておくといい。色はブルーピンク、赤金が定番。あとは条件によりけりだ。他のルアーの対象魚種と同じで、セオリー通りなら潮が澄んでいる場合はナチュラル系、濁っている場合は海の中でアピールできる派手な色系も持っているといい。
例年通りならこの時季から晩秋にかけては、ブツ切りのバター焼きや塩焼きに適した100センチ前後の食べごろサイズが主体となる。11月にさしかかるとタチウオは産卵期になって食いが落ちる。「あと2カ月くらいはこの傾向が続くと思います」(神奈川・久里浜「大正丸」鈴木喜忠船長)。
シロギス 涼しくなると深場に
この時季の東京湾のお手軽釣りといえば、シロギスだ。「昨年から上向きの兆しはあった。今年の夏は木更津、盤洲などの浅場でワキが良く、広範囲で食っている」。横浜・山下橋「広島屋」石井晃船長や「つり幸」幸田船長、「小峯丸」小峯船長は声をそろえる。
12センチ前後のピンギスから25センチほどの「ヒジタタキ」と呼ばれる大型まで、サイズは大小さまざま。上手な人だと束釣り(100匹超え)は可能だ。数、型ともに申し分ない。初心者は胴突き1本針で船下に仕掛けを落とせばいい。腕に覚えのある人は片天2本針でチョイ投げし、リズム良くサビいて幅広く誘う。涼しくなるにつれて、シロギスはだんだん深場に落ちていく。
淡泊な白身は、天ぷらやフライ、昆布締めにしても良し。刺し身や糸造りをわさび&しょうゆだけでなく、藻塩やコチュジャンにつけて食べてもうまい。
スルメイカ 初心者はツノ5~6本で
千葉・内房は勝山「宝生丸」のスルメイカは、今月末まで狙えそう。気配は黒潮の大蛇行が今年5月に終息の兆しを見せたと気象庁が発表した直後からあった。静岡・石廊崎沖などで6月あたりからスルメイカが乗り始めたと報じられていた。梅雨明けに呼応するかのように、房総半島沖にもやってきた。「大蛇行が消えた今季は、通年パターンに戻って久々に活況だった」(高橋賢一船長)。
オモリを着底させたら糸フケを取り、小魚に似せた14~18センチのイカヅノをシャクって指示ダナ(魚の遊泳層)まで誘う。ツノに乗ったら、サオを動かさずに道糸を一定のペースで巻き続ける。手慣れてない人は、ツノは5~6本で確実に乗せて取り込むといい。
快晴の日、開いたイカを船上で2~3時間も天日干しすれば適度な生乾きになる。これをあぶってちぎり、七味&マヨネーズとか、ショウガ&しょうゆにつけて食べるのは、釣り人ならではの特権だ。








