佐渡で大型魚が乱舞した。「佐渡ビッグゲーム2025 FishRanker(フィッシュ・ランカー)カップ」が、新潟・佐渡島全域で行われた。10月11日午後2時から12日午前11時30分まで陸から釣りをして、最も大きな魚を釣れば優勝となる。参加したら専用アプリをインストールし、釣果も登録、申請できる。4年前の秋に始まって6回目となる今回は、北海道から沖縄まで130人が参加。78センチのヒラマサをヒットさせた地元高校3年生の越前隆秀さん(17)、アプリのニックネーム「ヒデさん」が優勝した。
佐渡へ佐渡へと釣り人たちがなびいた。腕に覚えのある釣り師にとっては、あこがれの場所でもある。
地元の山田屋釣具店の三井宏志店主、日刊釣りペンクラブのベテラン磯師の鵜沢正則氏によると、「四方を海に囲まれており、どの方角から風が吹いても、風裏に入ればサオが出せる。この時期はクロダイやメジナ、マダイ、オナガダイなどが食ってくる。ヒラマサは群れでたまりやすい。イナダなどの青物も通年で狙える。最近は暖冬傾向で水温もそんなに下がらず、冬場でも防寒をしっかり施せば釣りは楽しめる。春先も本州のように冷たい雪解け水の影響で、水温が一気に下がることはない」と声をそろえる。そんな恵まれた釣り環境の中、今大会ではさまざまな魚が掛かり、豊かさを印象づけた。
優勝した越前さんは、12日の朝6時ごろに両津地区のゴロタ石が転がっている浜でルアーを投げて78センチのヒラマサをヒットさせた。陸からの大型回遊魚狙いの定番ダイビングペンシル、パームス「ラッシュダイブ」の赤色、長さ16センチを選び、50メートルほどキャストした。
ロッドを横にして、海から岸へと引きながらリールを巻いて逃げ惑う小魚を演出する。モタモタっとルアーが押さえ込まれるような感じが伝わった。チャンスとなる朝方に一発大型が出るだろうと思ってはいたが、「まだ寝ぼけていたのかもしれない」と振り返る。
獲物は岸際で横走りして抵抗する。「メーター級の大物がヒットしてもいいようなタックル(ロッド10・3フィート、スピニングリールは1万4000番、ラインPE4号、リーダー80ポンドで長さ2メートル)にしていたのが良かったです」。一緒にエントリーしていた父親がラインをつかみ、岸にたぐり寄せてアシストしてくれた。親子で協力して仕留めた。
釣れる予感はあった。30分ほど前には57センチのヒラマサを掛けている。「サイズアップを狙って、同じようなポイントで回遊して食うのを待っていました」。父はノーヒットだったが、同行していた高1の弟は64センチのヒラマサをヒットさせている。一家で獲物の習性とポイントの特性、地の利を熟知して、初優勝を手にした。
幼稚園に通っているころから島内の磯や淡水でのルアーを楽しんでいたという越前さん、たまたまこの大会のサイトを見て、22年秋の第3回大会から参加している。「まさか優勝できるとは思わず、うれしかったです」。高校卒業後は建築士を目指して、新潟市内の専門学校への進学を予定している。「次回もエントリーしたいです。釣りは好きなので、今後も続けたいです」と声を弾ませていた。
アプリで登録 専用メジャー使って撮影し検量完了
「佐渡ビッグゲーム2025 FishRankerカップ」は、佐渡島を「釣りを満喫できる、日本を代表するリゾート地へと発展させる」ことを目的とする、「佐渡フィッシングリゾートプロジェクト」の一環として企画された。
競技エリアは佐渡島全域の陸地。朝夕のチャンスタイムを絡めた競技時間で、最も大きな魚を釣れば優勝(対象魚の指定あり)となる。親子や初心者も楽しめるように管理釣り場も用意している。参加者はエントリーしたら、FishRankerアプリをインストール。後日届くメールのURLを開いて準備は完了。大会当日に会場で受け付けを済ませたら、専用のメジャーを使い、釣った魚をメジャーに乗せてアプリに撮影、投稿することで検量は完了する。持ち込みは不要。
このルールで21年秋、50人の参加者とともにスタート。22年夏は感染症対策のために新潟県内限定としたが、91人が集まった。同年秋、130人に参加者が増え、会場を「おんでこドーム」に移した。制限が緩和された23年秋の第4回は、全国から200人を超える参加者が集結。24年秋の第5回の参加は151人。エキスパート部門でプロアングラーが参戦した。
昨年7月、「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録され、観光需要が高まる中で宿泊や交通手段という課題を抱えながらも、地域振興イベント、釣り大会として注目度が上がっている。
地元の飲食店で新メニュー考案会
今大会は、クロダイによる加茂湖の養殖カキの食害が深刻化している背景から、有効利用に向けて地元飲食店による新メニュー考案会が初めて実施された。参加者は協力して、大会中に釣ったクロダイを提供。地元飲食店がフィッシュバーガー、和風アヒージョ、ポアレ(クリームソースかけ)、中華風蒸し魚などにアレンジした。
佐渡市にある同湖は、新潟県最大、全国の離島で最大の湖。静岡・浜名湖、島根・宍道湖(しんじこ)などと同じく、海とつながる汽水湖で、昭和初期からカキの養殖が盛んだった。釣りと漁協との共存を図るこの取り組みに、地元の関係者は「加茂湖クロダイの活用に向けた未来を感じた」と希望の持てるコメントを出していた。
大会記録
【一般部門】
▽総合優勝 ヒデさん=ヒラマサ78センチ(魚種別大物賞の青物賞とダブル受賞)
▽準優勝 スズキさん=ヒラマサ74センチ
▽3位 よしおにいさん@ロマン砲=ヒラマサ69センチ
【一般部門・魚種別大物賞】
▽シーバス賞 ロビオキ釣り部さん=55センチ
▽加茂湖クロダイ賞 しょーゆベースさん=48センチ
▽マダイ賞 ヤギさん=21・5センチ
▽フラットフィッシュ賞 angler_nwzktmさん=マゴチ61センチ
▽ロックフィッシュ賞 さすらいさん=キジハタ38センチ
▽FishRanker賞 らてさん=ヒラマサ
【ファミリー部門】
▽優勝 きーさんファミリー=クロダイ40センチ
▽準優勝 けいさんファミリー=アジ20センチ
※成績はアプリ内のニックネームでの発表
▼釣り宿 山田屋釣具店【電話】0259・52・6513。大会HP=https://sbg.fishranker.jp/









