背の高い男性との結婚にはリスクがあるという、ショッキングな研究結果があります。

 米国ハワイ大学のブラッドリー・ウィルコックス教授らのグループは、40年にわたり、身長と寿命の関係を調査しました。

 その結果、身長158センチ未満の男性グループが最も長生きをして、身長が高くなればなるほど寿命が短くなる傾向を見いだしたのです。低身長の男性は、空腹時の血液の中のインスリンの濃度が低く、長寿遺伝子を持っているからではないかともされています。

 長寿遺伝子は、腫瘍の発育を抑制したり、ストレスから細胞を守ったり、人間を長生きさせてくれます。

 一方、165センチ以上の男性の死亡原因は、がんによる死亡が、低身長の男性よりも高いことが分かっています。

 もしパートナーが高い身長なら、がん検診をよりきちんと行ってください。

 ちなみに、肥満とやせ気味ではどちらが将来がんにかかりやすいか。そういうデータも出ています。「国立がん研究センター 社会と健康研究センター」の調査によると、40~69歳の男女約9万人の肥満度(BMI=体重〈キロ〉÷身長〈メートル〉÷身長〈メートル〉)を算出。男性ではBMIが21~29でがん全体の発生率はほとんど同じでしたが、同21未満のやせているグループと、30以上の非常に太ったグループで発生率が高くなる傾向が見られました。特に同19未満の最もやせているグループの発生率は同23~24・9のグループと比べて約30%高かったといいます。

 厚労省の調査でも40歳時点で太り気味の人が最も長生きしています。最も短命だったのはやせた人で、太り気味の人より6、7年も短命だったとか。とはいえ、「太り気味」というのが肝心で、これが「太りすぎ」となるとやはり短命のようです。BMIが25~30くらいの小太りであれば、あえてダイエットすることはありません。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。