「目覚め方改革プロジェクト」リーダーで、久留米大学医学部神経精神医学講座の内村直尚(なおひさ)主任教授はこう話す。

「昼寝を長くし過ぎることで、夜の睡眠の質が悪くなります。夜に寝る前の生活として大事なことは、たとえば夕食後にテレビを見ながら、うつらうつらすることはよくない。アルコールは寝つきを良くするけれど睡眠の質は浅く、短くなってしまう。それはアルコールを飲んで4時間ほどたつとアルデヒドという物質が代謝されて、それが覚醒物質となるからです。カフェインを含む紅茶、日本茶、コーヒー、炭酸飲料などの飲み過ぎにも注意しましょう」

そのほか、喫煙や寝る前の明かりにも要注意。これらはよい睡眠を阻害する原因となる。

「寝る前に明るい光を浴びることは睡眠の質を悪くします。そのため寝る1時間ほど前から照明を落とすなどの工夫をしましょう。また、ゲームやスマホなどは寝る前にはできるだけ使わないことが大事です」

普段の生活の中で睡眠の質を悪くしない一方、逆に質を高めるためには何をすればいいか。

「睡眠の質には、昼間どれだけ体を動かしているかが影響します。日中の活動性が高い人ほど夜は深く眠れます。つまり散歩に出かけたり、運動で活動性を高めることで睡眠の質を良くすることができるのです。部屋でゴロゴロと横になっているだけでは深い睡眠を得ることはできないのです」

規則正しい生活が睡眠に適度なリズムを与えることはすでにふれたが、そのためにはコツがある。

「朝起きる時間を一定にするこということがとても大切なのです。そうすることで夜よく眠ることができるのです」

次回は、朝すっきり目覚める方法をお伝えしよう。