「良い夫かどうかは遺伝子で決まる!」。思わず耳を疑ってしまうようなフレーズですが、あながちうそでもなさそうです。

結婚生活の向き、不向きをスウェーデンのカロリンスカ研究所が調査したところ、意外な事実が判明。双子の男性を実験対象に、「バソプレシン(抗利尿ホルモン)」を調節する遺伝子について研究したもの。

552組の(男性)双子を集め、「遺伝子の変異体」を調べたあと「パートナーとの結束について評価する心理テスト」を実施し、それぞれの奥さんと面接を行うといった内容。「バソプレシン」は、交尾中の男性の脳から分泌されるホルモンで、女性との関わりを促す働きがあります。

「バソプレシン受容体1aの対立遺伝子334」が備わっている男性は、心理テストのスコアが低く、結婚していない人も多いことが判明しました。また、「334遺伝子」が2つ備わった男性は過去1年間に離婚経験があり、結婚生活に何かしらの危機を感じている人も多かったとの結果です。この遺伝子の働きによって、離婚率が高まるとも考えられますので、注意が必要です。なお、バソプレシンは男性の「社会性」に関するもので、女性には当てはまらないだろうとのことです。

実際に離婚と再婚を繰り返す人の特徴として、共通したパターンがあるようです。たとえば、若いうちに結婚した人、特に「デキ婚」のケースです。統計では20代前半カップルの離婚率は4割を超え、10代になると6割を超えるカップルが離婚しているようです。自分を抑えて我慢しながら結婚生活を続けるよりも、まだ若いから次の人生を見つけよう、という気持ちがあるようです。もちろんカップルにもよりますが…。

また、相手のプロフィルや条件で結婚相手を選ぶケースも、離婚を繰り返しやすい傾向にあります。これは特に女性に多いイメージがあり、相手男性の年収や身長に条件を設け重要視する傾向がありますが、性格に関しては妥協してしまうパターンです。結婚後にあれこれ不満が噴出してきて、早々に離婚に至ってしまうのです。ほかには、お金や異性に対してルーズな人も離婚再婚の繰り返しが多いです。日本の離婚率は厚労省調べで約35%(15年度)。これを高いとみるか、低いとみるか。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。