今日は、身体のにおい、体臭について、医学的見地に基づいたクイズ形式で学んでいきたいと思います。

Q 身体のにおい、体臭が強く感じるのは、どんな時でしょう?

A・気温が高い日

B・湿度が高い日

C・気温と湿度、いずれも高い日

正解は「B」の湿度が高い日、です。身体のにおい、体臭の原因成分のほとんどは、水に溶ける水溶性です。ですから、湿度が高く、空気中に水分が多い季節は、遠くまでニオイが飛んで行ってしまい、周りの人への影響が多くなります。

Q 加齢臭予防に良いのはどちらでしょうか?

A・41度、1分間のシャワー

B・14度、1分間のシャワー

正解は、「A」。加齢臭の原因であるノネナールは、41度、1分間のシャワーで、毛穴から比較的簡単に取り除くことができると考えられています。特に、頭、胸、背中、首などにお湯をかけましょう。

Q より強烈なにおいなのはどちらでしょう?

A・メタボ臭

B・ミドル脂臭

正解は、「B」。ミドル脂臭といって、30、40代の人に(特に男性に多い)、あぶらが腐ったにおいと表現されるものがあります。これは、ジアセチルという成分によって生じるもので、汗の中に含まれる乳酸という疲労物質が細菌によって分解されてできます。においは強烈で、お酢に比べて120倍もの強いにおいという報告もあるほど。シャワーなどをきちんと浴びることも大事ですが、体臭向けのデオドラント剤を利用することもお勧めします。

一方、メタボ臭は、加齢臭の原因成分であるノネナールがメタボ体形の方から生じることを呼びます。普通の加齢臭よりは不快な強いにおいとされていますが、ミドル脂臭に比べたら弱い、という専門家が多いです。

Q 人間が判別できる種類が多いのはどっちでしょう?

A・におい

B・色

正解は、「A」のにおいの種類。人が見分けられる色の数は、約750万種類とされるのに対し、人が嗅ぎ分けられるにおいは、米ロックフェラー大学の研究によると、最低で1兆種類という発表が出ています。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。