医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第10回「若者でもメタボや高血圧で重症化」

◆高血圧やメタボは新型コロナに弱い

血管が収縮すると、血圧は上昇します。血管の収縮に関係するホルモンが分かっています。レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系と呼ばれるホルモンが、血管を収縮させて血圧を上昇させるのです。

◆サイトカイン

たかが高血圧ではないのです。高血圧が原因で、サイトカインと言う炎症タンパク質が作られるということが分かってきたのです。これが動脈硬化を起こし、心臓病や脳血管障害を起こすのです。

◆新型コロナで高血圧の死亡率が高い理由

WHOの発表によると、新型コロナウイルスの致死率は3・8%でした。一方、高血圧の持病がある人の致死率は、8・4%。もともと慢性炎症があるところに急性炎症が加わって重篤(じゅうとく)になったのだと思います。元気な時から血圧を下げておく必要があるのです。

糖尿病の人の致死率は、9・2%でした。炎症を起こしやすく重症肺炎になりやすいのです。炎症を防ぐには、「野菜」と「スクワット」です。忘れないでください。

◆若者でも重症化する

肥満は、高血圧となり、高脂血症となり、そして血糖値も上がりやすくなります。この4つを併せ持つメタボリック症候群は、慢性炎症を起こしやすい状態です。

若者は新型コロナに感染しても比較的軽症と言われていますが、死者も出ています。フランスの免疫学者ジャン・フランソワ教授が、若くても肥満のある人は重症化しやすいと述べています。肥満のある人は、自粛要請中にメタボ改善に取り組みましょう。