医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第25回「パ・タ・カ・ラ」が認知機能を守る

◆誤嚥(ごえん)性肺炎予防

緊急事態宣言が延長されました。いよいよ認知機能の低下が心配です。

歯周病菌は慢性炎症を起こし、動脈硬化や認知症を引き起こすと言われています。口の中を清潔に保ち、よく口を動かしましょう。話す、食べるなど、口の機能が低下する「口腔(こうくう)フレイル」を予防することで、認知症予防につながります。

慢性炎症を防ぎ、もちろん風邪や誤嚥性肺炎の予防にもなります。

◆「パタカラ」体操

新しい生活様式の下、会って会話することを減らすように言われています。このままでは口腔フレイルが日本中に広がってしまいます。そこでお勧めはパタカラ体操です。

「パタカラ」体操は、「パタカラ、パタカラ、パタカラ…」と声に出すだけ。「パ」行は口の周りの筋肉を若返らせ、「タ」行は舌の動きをよくし、「カ」行は飲み込みをよくする、「ラ」行は口全体を鍛えます。

◆怒りのコントロール

自粛生活でイライラしてきた時、ぼくは「パタカラ」をできるだけ早く繰り返します。これはアンガーマネジメント(怒りの感情を抑える方法)になります。ムッとして周りにいる人を怒ってしまいそうなときに、「パタカラ、パタカラ…」と6秒、繰り返す。さらに怒りが収まらない時は、「バカタレ、バカタレ」でもいいのです。怒りは6秒でピークが過ぎるので、少し穏やかに話せるようになります。怒りやすくなったと感じている方は、特にお勧めです。

◆オデコ体操

ぼくがやっている秘密兵器をもう1つ教えましょう。「オデコ」体操です。へそをのぞき込むように下を向き、オデコに手のひらを当てて、手とオデコを押し合います。のどのあたりを意識してグッと力が入っていればOK。