医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第26回「具だくさんみそ汁で認知機能を守る」

◆抗酸化力がいっぱい

かつては脳卒中の多い地域だった長野県で、ぼくは40年以上前から、年間80回、公民館に出向いて、脳卒中を予防する方法を伝えました。具体的には塩分を控えることと、野菜を食べることです。「具だくさんみそ汁」を勧めました。

◆認知機能を守る

野菜には、抗酸化力の高いβカロテンやリコピンなどのポリフェノールが含まれています。また、ポリフェノールには、脳の神経細胞を保護し、認知機能の低下を抑えてくれる作用があると推測されています。食物繊維も豊富。食べすぎを防いで肥満を予防したり、腸の状態を整え、発酵食品のみそが免疫力を高める効果も期待できます。

新型コロナに対抗するためには、獲得免疫ほどのパワーはありませんが、自然免疫力も大切なのです。

◆具だくさんみそ汁は万能

具にする野菜は、葉物でも根菜でも、残った野菜の切れはしでもOK。野菜のうま味がいいだしになります。味は薄くしていないけど、汁が少なくなるので、塩分摂取が減って、血圧は下がってきます。

自粛生活のストレスで、血圧は上がりやすい。高血圧は、コロナの致死率8・4%と高くなります。コロナに負けないためにも血圧を下げておくのは得策なのです。

みそには老化を進める活性酸素を消す作用があります。ともに抗酸化力をもつ野菜とみそを組み合わせた「具だくさんみそ汁」は、認知症予防の大きな武器になるでしょう。

◆若者にもおすすめ

若いサラリーマンにもおすすめ。中年以降の慢性炎症を予防してくれ、頭のキレもよくしてくれます。

この習慣で、長野県は脳卒中が減り、がんの死亡率も全国平均よりダントツに低い県になったのです。