医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。

71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第34回「肉、赤身の魚、大豆は、睡眠の材料」

脳を若々しく保つには、質の高い睡眠が大切です。厚生労働省の調査では、5人に1人が不眠症だそうです。鎌田も5年ほど前、睡眠薬を必要とした時期がありました。今はバタンキュと眠れています。

鎌田が関係している「よりそいホットライン」(0120-279-338)という電話相談では、鬱(うつ)気分やDVが増加傾向にあるそうです。コロナ鬱を防ぐためには、誰かに話を聞いてもらうことと、良い睡眠が大切なのです。

◆不眠は認知症のリスク

カリフォルニア大学バークレー校の研究では、50~60代の時の睡眠の質が悪いと、βアミロイドが脳細胞に沈着して、認知症のリスクが上がると述べています。

人は眠ることで脳の老廃物を排出し、脳のメンテナンスをしています。睡眠不足が続き老廃物が蓄積すると、脳の機能が低下してしまいます。

◆朝、太陽の光を浴びる

良い睡眠をとるために、鎌田は朝、太陽に当たるようにしています。太陽に当たることで分泌されたセロトニンは、夜、睡眠を誘発するメラトニンの材料に変化します。

◆牛乳、バナナ

セロトニンは脳内で作られますが、その材料になるのがトリプトファンです。トリプトファンは体内で生成できないので、食事からとらなければなりません。

トリプトファンは、豆腐、みそ、納豆、チーズ、牛乳、卵、肉、赤身の魚、バナナなどに含まれていますので、意識して食べましょう。

鎌田はかつて眠れないとき、夜ホットミルクを飲みました。これは効きました。

セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれています。うつ病になると脳内のセロトニンが少なくなることが知られています。うつ病は認知症のリスクを高めます。