コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

   ◇   ◇   ◇

コロナ太りが促進するとメタボになって健康を害する。が、ストレス発散を兼ねた食事で「食欲が止まらない」という人も。

「食欲を抑えることに関係するレプチンというホルモンは、脂肪細胞から放出されて脳に働きかける仕組みがあります。脂肪がありすぎると、この仕組みが破綻するのです」と、東海大学医学部総合診療学系の岸本憲明准教授は話す。

脂肪が増えたときに、レプチンによって食欲を抑え、交感神経を優位にして活動量を上げるような仕組みが、人体にはある。不思議なことに、余分な脂肪が増え過ぎるとレプチンがたくさん放出されても、食欲が抑えられない「レプチン抵抗性」が起こる。血中のレプチン濃度が上がることで、血圧は上昇。高血圧にもなりやすい。

「レプチンはナトリウムを腎臓から再取り込みして、貯蔵する働きもあるため、同じ塩分量の食事でも、レプチン抵抗性がある人は、そうでない人と比べて血圧が上がりやすいのです」

止まらない食欲の原因ともいうべきレプチン抵抗性が、高血圧を後押しする。体重が増えて体脂肪率が上昇した人は危ない。男性の場合は10~20%未満、女性は20~30%未満が標準とされている。この範囲内であっても、急激な体脂肪率の上昇には注意が必要だ。

「特におなか周りに脂肪がつくと、内臓脂肪の可能性が高くメタボにつながります。食欲に任せた食べ方は止めて身体を動かし、余分な脂肪を燃焼しましょう」