コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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コロナ禍でのがん治療のたいへんさを前回までに紹介してきた。コロナが怖いとがん検診を受けずに進行がんで発見されると、予後は大きく変わる。新型コロナにも注意が必要だが、がんの早期発見・早期治療の心掛けも不可欠だ。

「コロナ禍であっても、がん検診を安全に受けられるように、各学会などが体制を整えています。早期発見・早期治療のチャンスを逃さないでいただきたい」と、がん・感染症センター都立駒込病院の神澤輝実院長。肝胆膵領域のがんの診断・治療・研究はもとより、院長として新型コロナ感染症対策にも尽力している。

「仮に進行がんが見つかったとしても、従来と比べて医療は格段に進歩しています。闘う気持ちがあれば、予後は以前と比べてよくなりやすいのです。むやみにがんを怖がらず、適切に治療を受けることが大切です」

早期発見が難しく、予後が悪いといわれる「膵がん」でも、がんが1カ所(局所)にとどまっていれば、放射線治療や薬物療法を駆使し、がんを縮小して手術で切除する治療法も導入している。以前は、「手術はできません」といわれた膵がんでも、手術を可能とする医療の進展がある。

「特に新薬の発展は目覚ましい。また、がんによって新たな治療法も次々に開発されています。手術方法も、ロボット支援手術など、身体への負担が少ない方法で取り組んでいます」

最適ながん治療を受けるチャンスを逃さないように、がん検診などを活用しよう。

※この内容は昨年11月の取材に基づきます。