『1週間の禁酒で血糖が改善』

体質的にお酒に強い男性では、コロナ禍の家飲みなどでついつい飲みすぎるため、糖尿病になりやすくなる可能性があることを前回紹介した。このメカニズムの1つを世界で初めて明らかにした研究メンバーの1人、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学スポーツ医学・スポートロジーの田村好史先任准教授が、その改善策について話す。

「お酒が強い人は、肝臓からブドウ糖が漏れ出て血糖値が上がりやすくなります。この状態が、1週間の禁酒でも有意に改善し、空腹時血糖値も下げることが私たちの研究でわかりました。早い段階で、禁酒や節酒をすれば、糖尿病を防ぐことができると思います」

コロナ禍の外出自粛やテレワークなどで、昨年来、飲み会がゼロもしくは、相当減った人はいる。その結果、糖尿病と診断されていた人の中には、「血糖値の数値が改善した」という人がいるのだ。お酒を飲まない“休肝日”は功を奏すといえる。

一方、酒がほどほどに飲める体質の人、具体的には以前または現在アルコールを飲むと顔が赤くなる人はさらに注意が必要だ。

「お酒を飲んで強くなってきたような人も、つい飲みすぎてしまうことが増えて、糖尿病になりやくなる可能性があるほか、食道がんなどのがんの発症リスクが上がることが以前から報告されています。そのような人では特に注意が必要と言えるかもしれません」

いずれにしても、週に1~2回の休肝日を設けることが肝心だ。