『サルコぺニアで認知症や糖尿病のリスクアップ』

コロナ自粛で動かないでいると、当然のことながら筋肉量は減っていく。骨格筋の減少は、加齢とともに起こりやすいため、年齢が高くなるにつれ、運動不足による筋肉量の低下に拍車がかかりやすい。

「外来を受診されるご高齢の患者さんは、外出控えでサルコぺニアになってきている方が多い印象です。サルコぺニアは、寝たきりリスクを上げるため、ぜひ予防していただきたい」と、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学/スポーツ医学・スポートロジーの田村好史先任准教授。コロナ禍の外出控えによる健康被害を防ぐ「健康2次被害防止コンソーシアム」の発起人のひとりだ。

サルコぺニアは、骨格筋量が減り身体活動能力が落ちた状態。ふくらはぎの最も太い部分を親指と人さし指を輪にして囲み、指同士がくっついてふくらはぎとの間に隙間が生じたら、サルコペニアの可能性がある。

「骨格筋はブドウ糖の貯蔵庫であり、エネルギー代謝でも重要な役割を果たしています。サルコペニアで骨格筋量が減ると、生活習慣病を悪化させて心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高め、認知症や寝たきりのリスクも上がります」

サルコペニアを改善・予防するには、身体活動量を上げることが大切になる。1日1回は、3密を避けながら外出することが重要。

「誰もいない所で、1人で散歩しているだけであれば感染するリスクはほとんどありません。マスク着用で人と距離をとりながら身体を動かしましょう」