(36)『動脈硬化予防のショウガを塩の代替に』

コロナ禍のストレスや味付けの濃い料理は、高血圧の後押しをする。家庭血圧測定では135/85mmHg以上で高血圧の疑いが強くなる。それを改善する減塩は、1日6グラム未満が推奨されているが、濃い味付けになれていると難しい。

「だし汁や食材の風味、ショウガやワサビなどを塩の代わりにうまく使いましょう。特にショウガは、皮ごと調理すると動脈硬化予防につながります」とは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。「薬に頼らなくても高血圧は改善できる 1日5回×3で奇跡の物質NOが増える 栗原式『すわるスクワット』」(笹倉出版社)などの著者である。

「ショウガの苦み成分のジンゲロールは、血管を広げて血流をよくし、血圧が上がるのを防ぐ作用があるのです。動脈硬化の改善・予防も期待できます」

たとえば、刺し身を食べるときにたっぷりしょうゆをつけている人は、その代わりにワサビやショウガを乗せて、しょうゆはちょっとつけるだけ。そんなひと工夫で減塩することが可能だという。

「ジンゲロールは、加熱をするとショウガオールに変わりますが、血流を良くするなどの身体によい作用は変わりません。免疫力を高める作用も報告されていますので、これから寒くなる時期には、煮魚などでもショウガを活用しましょう」

魚介類に含まれるタウリンも、疲労回復作用に加え血圧を正常に戻す働きもある。食材を上手に組み合わせながら減塩による血圧改善に取り組もう。