ウオーキングを習慣化するために歩数を記録する。これがピタリとあてはまって生活習慣病を克服した人は少なくありません。しかし、生活習慣の改善を続けていこうにも、ストレスを感じてしまったり、また挫折するのでは…と不安になったり、といった人も少なくないのです。

うまくいかないことがあったら、瞑想(めいそう)してそのことをリリースしましょう。悲観的な気持ちになった脳を、楽観的に変えていくにはどうするといいでしょうか。

1つの方法として「マインドフルネス」があげられます。ネガティブな状態になってしまうと、次々とマイナスのイメージが膨らんでしまいます。後悔や将来への不安を抱えることもあるでしょう。マインドフルネスはそこから抜け出して、心を「今」に向けることを言います。

マインドフルネスは、もともとは東南アジアの瞑想(めいそう)法をベースにしたものです。医学の臨床現場では、宗教的な部分を切り離して患者さんの治療・教育に応用しているところもあります。

マインドフルネスは、どんな性格の人にもある程度効果があるといわれています。私も「行動変容外来」の患者さんに実践するように進めています。お風呂で目をつぶってもいいですし、深呼吸をしてもいい。

例えば、呼吸法の場合、普通の深呼吸でも早朝の急激な血圧上昇を抑制する、という報告があります。ネガティブになったりしたときは、深呼吸をすると気持ちを落ちつかせることが期待できるので、取り入れるようにするといいでしょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)