前回は、「運動」について「週150分の早歩きにスクワットを加えるのが1つの目安」と紹介しました。

それは、運動をするポイントは「筋肉をつけること」と「心肺機能を高めること」にあるからです。実は、筋肉は体の中でも血流量の多い臓器。老化・生活習慣病には毛細血管も関係しているので、運動で筋肉を鍛えることは毛細血管の量を増やすことにもなります。だから、ウオーキングによって、下肢の筋肉が強化されると血流量は増加するのです。

そればかりではありません。筋肉には摂取した糖のうち余った分をため込む“貯蔵庫”の役割もあるのです。だから、血糖値の高い人は筋肉をしっかり増やすようにするのが大事なポイントです。その時、頭の中では“ダイエット”が浮かんでいると思います。ダイエットで脂肪を減らすだけではなく、筋肉をつけることをしっかり実践しましょう。

筋肉は体幹と大腿(だいたい)部に多く存在するので、そこの筋肉強化することがより有効です。体幹と大腿部の筋肉を鍛えるのにぴったりなのが、スクワット。ウオーキングとスクワットの組み合わせ運動です。この組み合わせが「筋肉をつける」「心肺機能を高める」という運動の効果をしっかり発揮することになります。加えて、運動をすることは、ストレスを解消させることにも結び付きます。運動の後のさわやかさ、これがマインドを維持していくうえで重要なのです。次回は、スクワットの行い方について-。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)