「栄養・食事」で注目したいのは、「塩分のとり過ぎ」。必要以上の塩分を摂取していると生活習慣病が悪化します。日本高血圧学会が推奨する1日の塩分摂取量は6グラム未満。だから、塩分摂取は控える方向で食事を見直してみましょう。

私どもの「行動変容外来」では、看護師と管理栄養士の協力のもと、患者さんに塩分量を調整した3種類のみそ汁を飲み比べてもらうことがあります。それは、患者さんが普段飲んでいるみそ汁の塩分量がどれほど多いかを知ってもらうためです。

また、調味料の塩分含有量は「しょうゆ」「ソース」「ケチャップ」「マヨネーズ」の順で少なくなります。何にでもしょうゆをかける人がいますが、それはやめましょう。しょうゆでなくてはならないもの以外は、他の調味料に替えられないかを考えてみましょう。酢を使うと、塩による味付けを抑えても満足感が得られます。

そして、糖尿病の改善ではやっている「糖質制限」。ただ、この糖質制限で結果的に塩分をとり過ぎていないか、この点への注意が必要です。糖質制限では、白米やパンなどの糖質をとらない分、おかずを多めに食べてもよいとするメソッドがあります。

ただ、このおかずがくせもので、おかずには必ず塩や調味料が使われています。実は、おかずをたっぷり食べるよりは、塩などをかけなくて食べられる白米を控えめに食べる方がいいのです。何ごとも、習慣には極端なことや無理はよくありません。肝に銘じましょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)