中高年の男性を悩ます尿トラブルは、前立腺肥大症が原因としては最も多い。その“尿トラブル”の症状では「残尿感」「頻尿」「夜間頻尿」について前回解説いたしました。

ただ、夜間頻尿はとりわけ、生活の質を低下させます。寝不足による睡眠障害のほかに、十分気を付けなければならないのが「転倒での骨折」。夜中に夢うつろに歩いていると、トイレまでに転倒するリスクが高くなります。それで、実際に転倒骨折をすると状態はどんどん悪化するケースが多いので、しっかり防ぐ対応を実践する必要があります。

「残尿感」「頻尿」「夜間頻尿」などの症状以外に、前立腺が肥大するとぼうこうの血流が悪くなる虚血が起こり、「過活動膀胱(ぼうこう)」も起こります。この症状としては「尿意切迫感」が--。これは、急にトイレに行きたくなるという症状で、状態が進行すると、切迫性尿失禁を合併するケースもあり、オシッコを漏らしてしまいます。

このほかにも症状は多く、「残尿感」は尿勢低下で起こると前に説明しましたが、尿勢低下は排尿遅延も起こします。排尿遅延とはオシッコをする時間が長くなったり、オシッコの出るまでの時間が長くなったりします。また、「終末滴下」もあります。排尿後、性器をパンツにしまった後にパンツの中で尿がチョロチョロと出てしまうのです。

このような症状が見られたら、「年のせいだよ」と言って放置しないで、生活の質が低下しているのだから、泌尿器科を受診するようにしましょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)