仕事から受ける強いストレスは、仕事を続ける以上は逃れようがない。厚労省の2021年「労働安全衛生調査」結果では、強いストレスとなっている事柄として「仕事の失敗、責任の発生など」と回答した人が30%を超えていた。
「失敗や責任をリモートワークで追及され、軽度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥った人の相談が、最近、目立つようになっています。いわゆるパワハラですが、上司もご本人も気づかず、受けた方だけが傷つき心の病に陥ることがあるのです」と、杏林大学名誉教授の古賀良彦医師。産業医として働く人の心の不調を数多く診ている。
リモートワークの会議では、「いいすぎた」「気にするな」などとのフォローを会議終了後に行いにくい。傷ついた人は、パソコン画面の前でつらい思いを抱き続ける。ひどい場合は、フラッシュバックのように上司の言葉が思い出され、悪夢となって現れ、不安や緊張感などが持続してしまう。
「つらい気持ちをひとりで抱えていると、うつ病など心の病の引き金になります。相談する人がいない場合は、医療機関を受診しましょう。眠れない状態が続いていれば、不眠の症状で受診しやすいと思います」
リモートワークは便利だが、コミュニケーション不足による誤解を生むことがある。新型コロナの感染予防を心掛けながら、同僚と直接会って話す機会を持つことも大切といえる。いずれにしても、ひとりで悩み過ぎないように。

