スポーツの秋は身体を動かしやすく、運動習慣を継続するには最適ともいえる。運動によって肥満などを解消すれば、健康に役立つ。だが、急激な減量を行うと、激痛や発熱などを伴う胆石症を誘発することがあるのでご用心。

「消化液の一種・胆汁をためる胆のうは、食事をすると収縮して胆汁を送り出します。断食すると胆のうの収縮する機会が減るため、胆石が生じやすくなるのです」と、東邦大学医療センター大橋病院消化器内科の渡邉学教授。肝臓病や胆のう・胆管などの病気の診断・治療を数多く行う。

胆石は、胆汁の成分が固まってできる。断食で胆のうの収縮する機会が減ると、胆のうに胆汁がとどまる時間が長くなり、結石へとつながる。

「肥満は胆石症のリスク要因ですが、肥満の人が急激にダイエットすることも胆石症の発作を誘発します。急激なダイエットはやめましょう」

胆石症のリスクは<1>高カロリー食<2>動物性脂肪に偏った食事<3>長時間の断食<4>肥満<5>脂質異常症。焼き肉などの肉類を毎日ガッツリ食べるような食生活も、胆石症を起こしやすい。逆に、1日1食少量しか食べないことも、胆石症のリスクになるのだ。

「魚や豆類、野菜も食べましょう。脂質異常症とすでに診断されている方は、特に主治医の指示に従って食生活の見直しを心掛けていただきたいと思います」

急激に食生活をリセットするのではなく、日々の食生活で少しずつ改善しよう。