スポーツの秋に身体を動かして故障しないためには、急に始めるのは厳禁。運動前と運動後のストレッチが欠かせない。

「股関節が硬いと可動域が狭くなり、膝に負荷がかかりやすくなります。股関節がやわらかくなった途端、膝痛が消えた人もいます。股関節のストレッチも行っていただきたい」と、東邦大学医療センター大森病院人工関節治療センターの中村卓司センター長は話す。

股関節をやわらかくするには、<1>あぐらをかくように座る<2>両膝を両手で地面に方に軽く押す。10~20回。<3>体育座りになる<4>片方の脚を伸ばし、伸ばした脚にストレッチする方の膝を軽く押し付ける。10~20回。これを毎日行うのが理想だが、痛みなどがある場合は無理のないように。

「すでに膝が痛い方は、太ももの筋肉を鍛えましょう。筋肉が膝のサポーター代わりになります」

太ももの筋肉を鍛える方法は次のとおり。<1>イスに腰かけて姿勢を正す<2>片方の脚を水平に伸ばし、息を吐きながら5~10秒そのままにする<3>元に戻し、もう片方の脚も同じように行う。これを25回1セットとし、朝、昼、晩、寝る前の1日4回、1セットずつ行うのが理想。無理しない程度から始め、徐々に回数を増やしていこう。

「股関節のやわらかさと脚の筋肉量の維持は、膝を守るために重要です。若い頃に膝を痛めた方や最近運動不足の方は、運動を行う前に、ぜひストレッチを行っていただきたい。ちょっとした習慣が膝を守ることにつながります」と中村医師はアドバイスする。